映画「ブラック会社・・・」インタビュー2 
田中圭「芯のあるカッコいい人と一緒に仕事したい」

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   映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』のインタビュー第2弾。端正なマスクで人気の田中圭さんですが、お話を伺うと、演技への真摯な姿勢や、仕事に対する迫力のある考え方にあふれていて、圧倒されてしまいました。(聞き手:野崎大輔)

「木村は、昔から嫌なヤツだったんだろうなと」

先輩社員をライバル視する野心家「木村君」を演じた田中圭さん
先輩社員をライバル視する野心家「木村君」を演じた田中圭さん

――中途入社の若手エリート、木村君を演じられていましたが、最初に台本を読まれたとき、どう感じましたか。

田中 面白いなと思いました。「なんだこれ!こんな会社あるの?」なんて笑いながら。それで、佐藤(祐市)監督なら、ここをこうするかもな、でも出来上がったものは想像以上に楽しいんだろうな、なんて考えながら読みました。だから撮影が楽しみだったし・・・。でも、その一方で「ああ、俺は嫌なヤツをやるんだな」と(笑)。
   それで「木村」をどんだけ嫌なヤツにしてやろうかなと、すごく役作りしてホン(台本)読みに行ったんですけど、監督から「圭、もっとシンプルに行こうか」と言われて。最終的には大げさに作ったものから引き算していって、言い方とか顔とか声質じゃなくて、気持ちから出てくるものがリアルに表れるようにしました。

――田中さんが演じたからか、木村君にはちょっと硬派な魅力も感じてしまいましたけど、やっぱり基本的に「嫌なヤツ」ですかね。

田中 「昔から嫌なヤツだったんだろうな」と思います。まず第一に「思いやり」ですよね! 木村君の言っていることは、間違っていないところもあるんですけど、思いやりがなさ過ぎます。

――ああいうプライドが高い若手社員って、実際の会社でも問題になっているんですよ。

田中 そうなんですか? 僕自身が、彼のいいところだと本当に思っているのは、仕事ができるところくらいですね。基本的に、彼の性格自体は嫌ですけど、「やるしかないんですよ!」というところなんかは嫌いではないです。まあ、あまり褒めるのは良くないんですけど・・・。
   同僚が木村だったら、彼よりも「やるしかない」でしょう。それか、相手にしないか。もし部下だったら、負けないように頑張らないといけないから、意外といいかもしれない。・・・でも、やっぱり願い下げです。絡みづらいですしね。

敵を作る必要はないが、みんなに味方でいてもらう必要もない

「彼の性格自体は嫌だけど『やるしかないんですよ!』というところなんかは嫌いではない」(C) 2009 ブラック会社限界対策委員会
「彼の性格自体は嫌だけど『やるしかないんですよ!』というところなんかは嫌いではない」(C) 2009 ブラック会社限界対策委員会

――映画のようなブラックな職場環境で働くことはできそうですか?

田中 作品が面白かったせいか、意外に耐えられそうな気もします(笑)。濃いキャラがたくさんいて、楽しそうだし。耐えられなくてスパッと辞めるかなとも思うけど、マ男だって辞めたくてもやめられないわけだし。一人でできることは少ないけれど、結局は自分頼りで「やるしかない」ってところに立ち戻るんでしょうね。

――うーん、男らしいですね。普段、仕事をする上で、どういうことを大切にされていますか。

田中 「仕事は仕事」ということですかね。役によっても変わってきますが、「仕事のときの自分」は別に持っておかないと、と思います。仕事以外の時間とのメリハリは大事かなと。やらないときはグウタラでもいいけど、やるときはやらないと、と自分に日々言い聞かせています。

――映画では、仕事の成果のほかに「人間関係」の問題が出てきますが。

田中 人間関係も大事だと思うんですけど、そればかりに気を使って自分を見失うよりも、「自分は自分」でいて、それについて来てくれたり、そういう自分を好きでいてくれる人を大事にした方がいいような気がします。特に僕のような仕事の場合は。敵を作る必要はないと思うんですけど、みんなに味方でいてもらう必要もないような気がします。

仕事してないときにブッ飛んでる人の方が、仕事も良かったりする

「佐藤祐市監督の映画は、演じた俳優の想像以上に楽しいものになります」
「佐藤祐市監督の映画は、演じた俳優の想像以上に楽しいものになります」

――いま、俳優として大活躍をされていますが、どういう人と一緒に仕事をしたいですか。

田中 カッコイイ人がいいです。仕事ができればそれに越したことはないけど、「こういう人になりたいな」とか「この人すごいな」とか、自分が憧れたいじゃないですか。刺激になるし、身近な目標にもなるし。仕事でもそれ以外でも、尊敬させてくれる人と働きたいです。あと、それ以外では・・・、単純に素敵な女の子とか(笑)

――田中さんが思う「カッコイイ人」の理想像って、どういう感じの人ですか。

田中 男でも女でも、自分の芯がある人ですね。でも、その芯は太くドン!というよりも、細くてもいいからスーッと通っている方がよくて。押しても引いてもビクともしないんじゃなくて、しなやかでピシッとした芯を持っている人がいいですね。
   あと、遊ぶときはトコトン遊ぶ人! ヒドイなこの人、って思うくらいすごく遊ぶ人。仕事してないときにブッ飛んでる人の方が、仕事もすごい良かったりする。

――そのあたりのメリハリですね。映画で中西さん(マイコ)が藤田さん(田辺誠一)に言い寄るシーンがありますけど、ああいうのはどう思いますか。

田中 社内恋愛、いいと思いますよ。ほほえましいじゃないですか。別れたときは面倒かもしれないけど・・・。この間、社内結婚した人の式に出ましたけど、すごくよかったです。藤田さんは中西さんに迫られて、その気がないと意外に冷たかったですよね。あれが男の優しさですよ。「あわよくば」なんて思ってたら・・・。それは男としてダメですね。

<インタビューを終えて>

「木村君に硬派な魅力を感じた」という感想は、「嫌なヤツ」を演じた田中さんには失礼だったかもしれませんが、物語の後半に突如登場した悪役の木村君が、ブラック会社のある面を壊して限界を超えさせたのは確かです。インタビュー中に何度も「やるしかない」と言った田中さんの男らしさを、佐藤監督は自然に引き出していたのではないでしょうか。男のあり方を考えさせられる身の引き締まるインタビューでした。(野崎)

>>インタビュー1:マイコ「藤田さんも素敵だけど、マ男くんもいいかも」

>> インタビュー3:新田龍「黒井システムを『ブラック』とバカにするなかれ」

>> インタビュー4:佐藤祐市監督「最初に入った会社は月給1万円未満だった」


田中圭 2003年の「WATER BOYS」で注目を集め、以後も「世界の中心で、愛をさけぶ」「タイヨウのうた」「官僚たちの夏」など数々のテレビドラマに出演。映画では06年の『東京大学物語』に主演し、『バックダンサーズ!』『包帯クラブ』『TAJOMARU』『キラー・ヴァージンロード』にも出演している。公式サイト「KEI TANAKA」


野崎大輔 特定社会保険労務士、人事コンサルタント。フリーター、会計事務所、上場企業の人事部勤務などを経て、野崎人事労務管理事務所を設立。J-CAST会社ウォッチで「できるヤツと思わせる20のコツ」を連載中。

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