2019年 11月 21日 (木)

会議の様子は企業文化の象徴 「意見が出ない」は危険信号

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   半年ほど前の事です。取引先に出向した銀行時代の同僚Tさんから聞いて欲しい話があると食事に誘われ、会うことになりました。

   Tさんが出向した先は、従業員50人ほどのオーナー企業の住宅資材関連メーカーです。社長のS氏は二代目で40代前半。1年ほど前に急逝した創業者のあとを継いで、同じ業界の大手企業から家業の危機を救うべく急遽呼び寄せられました。年長のTさんは、若い経営者の後見役を期待され取引銀行から出向したのです。

社長が出席する会議がない、は「大いに問題あり」

会議は企業文化を体現する――
会議は企業文化を体現する――

   相談は次のような話から始まりました。

「うちの会社は社長が出席する会議がないのだけど、それってよくある話ですか?ズバリそれってアリですか?」

   聞けば、もともと社長を交えた幹部会議はあったものの、S社長が着任して半年ほどで廃止になったのだと。報告ばかりで、社長が皆に意見を求めても沈黙、沈黙で提案や進言のない会議は時間の無駄だとの理由でS社長が廃止。報告は空き時間を使って個別でおこない、浮いた時間はトップ営業に充てることで業務効率が良くなったと社長は胸を張っているのだとか。

   小規模企業では確かに定例の会議がないこともあるのですが、たいていは少人数故日常的に密なトップを囲むコミュニケーションが存在しています。社員20人を超える会社で社長が個別打ち合わせに終始するなら、幹部間、部門間での経営情報共有や意見すり合わせが絶対的に不足するはずです。何より会議は、会社組織におけるフォーマル・コミュニケーションの軸をなすものであり、それ自体が存在しなくてはどう考えても社内コミュニケーションが円滑に回るとは思えません。「大いに問題あり」と私は回答しました。

「そうですよね。社長がいた大企業に比べたら圧倒的に小さな組織だから会議は不要との判断なのでしょうが、幹部会議がないと情報の共有度合いが部門によって異なり社長のフォロー役の私が何事もやりにくく、出向早々どうしたものか困っているのです」

   私の話を聞いたTさんは、悩み顔を露わにしました。会議の復活に向けては、会議削減で業務効率が良くなったなどと言ってはばからないS社長にその必要性や重要性を説いて、説得しなくてはいけません。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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