2020年 9月 29日 (火)

「袋叩き」マックの二の舞にならないために 押さえておきたい「異物混入問題への対処法」

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   マクドナルドの商品(チキンナゲット、フライドポテト、サンデーチョコレート、ホットケーキ)に異物(ビニールやプラスチック片、人の歯、ネックレスかブレスレッドの留め金)が混入した問題で1月7日(2015年)、担当役員が記者会見を行った。厚生労働省は1月9日、保健所のある都道府県や市などに対し、食品事業者の異物混入防止の取り組みが徹底され、食品の安全性が確保されるよう通知を出した。

   経済産業省の工業統計調査(2010年)によると、食品製造業は従業員299人以下の中小企業が64%、従業員3人以下の零細企業が35%を占め、大企業はわずか1%に過ぎない。これら中小・零細企業にとって、異物混入問題が発生し、消費者からツイッターやブログ上で問題が指摘されれば、死活問題になりかねない。広報の視点から、異物混入問題を起こさないために何をすべきか、もし起こしてしまったらどう対応すべきかをアドバイスしたい。

リーダーが仕事の社会的な意義や役割を教える

   東京都福祉保健局によると、食品の異物混入の苦情は681件(2012年度)と多く、このうち56%が飲食店、残りの約300件が工場などでの製造トラブルとなっている。また、製造トラブルによる自主回収は全国で年間1000件にも及ぶ。とくに虫や髪の毛の混入を完全に防ぐことは難しく、インターネット上にもみられる「騒ぎ過ぎ」との意見は当たっている。それにもかかわらず、マクドナルドが注目されてしまったのは、同社の企業姿勢に不信感が寄せられたからと思われる。

   記者会見のタイミングが遅く、トップが出席しなかったうえ、担当取締役は「品質問題への取り組みと、1件ごとの個別具体的なご指摘に対する対応は、種類の違った案件と理解している。対応は適切だった」と言い切ってしまった。商品に異物を混入させてしまったのは品質問題であり、対応が適切かどうかは消費者が決めるものだろう。記者会見の設定、参加者、発言の面からみて、稚拙さが否めない。

   以上の状況を踏まえ、中小の食品事業者は異物混入にどう備え、もし異物混入の事態を招いたらどうすればよいのだろう。

   まず大事なことは、異物混入を起こさない企業づくりをあらためて進めることである。厚生労働省の通知では、

(1)食品取扱設備等の衛生管理に当たり、分解や組み立てを適切に行うとともに、速やかに補修し、常に適正に使用できるよう整備しておく
(2)施設及びその周囲は、そ族及び昆虫の繁殖場所を排除するとともに、窓、ドア、吸排気口の網戸、トラップ、排水溝の蓋等の設置により、そ族、昆虫の施設内への侵入を防止する
(3)食品取扱者は、衛生的な作業着、帽子、マスクを着用し、作業場内では専用の履物を用いるとともに、装飾品、腕時計、ヘアピン、安全ピン等を持ち込まない
(4)洗浄剤、消毒剤その他化学物質については、使用、保管等の取り扱いに十分注意するとともに、容器に内容物の名称を表示する等、食品への混入を防止する

――という4点をあげている。その際、重要なことは、経営者やリーダーが仕事の社会的な意義や役割を教え、仕事と顧客、働く仲間を愛する意識を、あらゆる機会をとらえて植え付けていくことである。これらは顧客の獲得や、職場のルールよりも優先しなければならない。社会や顧客への思い、仕事のやりがい、働く仲間への思いを共有できれば、不祥事はおのずから減っていく。

管野 吉信(かんの・よしのぶ)
1959年生まれ。日刊工業新聞社に記者、編集局デスク・部長として25年間勤務。経済産業省の中小企業政策審議会臨時委員などを務める。東証マザーズ上場のジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)の広報室長を経て、2012年に「中堅・中小企業の隠れたニュースを世に出す」を理念に、株式会社広報ブレーンを設立。
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