2024年 4月 26日 (金)

「推薦枠」なのに選考落ち続出 就活戦線に要注意の新潮流

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推薦枠決定は前年度踏襲から意外な理由も?

   ところで、この推薦枠、どうやって決まっていくのでしょうか。

   取材していくと、圧倒的に多かったのが「前年度からの踏襲」。

   西日本某県の地方銀行は、地元の国公立大に推薦枠を設けています。

「なんで、と言われても、前年度からの踏襲ですね。経済系学部がある、というのも理由ですが、行内に出身者も多いので、わざわざ外す理由もありませんし」

   東日本の信用金庫は、本店所在地に近い女子大に推薦枠を出しています。

「真面目な女の子が入っていますし、特段、増やす気もないですが、減らす気もありません」

   調査していくと、意外な理由で推薦枠を決めている企業もありました。某運輸会社がスポンサーとなった映画でロケ先がなかなか決まりませんでした。何件も断られたあと、ある高校に話を持ち込んだところ、

「ロケ先としてお貸ししてもいいが、推薦枠をくれ」

   この運輸会社はその高校に推薦枠を出したそうです。映画の撮影が終了し、この無茶ぶりをした進路担当教員もその高校からいなくなって、10年以上経ちます。が、この高校には、今もその運輸会社からの推薦枠が残り、就職しています。

   他にも、元は政治家や学校法人経営者、寺院、有力OBからの働きかけ、というのは山ほどあります。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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