2019年 11月 13日 (水)

温厚部長か猛烈課長か、それが問題だ 職場の「確執」に悩んだときは

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   「ロミオとジュリエット効果」とは、恋愛において2人の間に障害があると、逆に2人の間の感情的結びつきが強化される、という現象を指します。心理学者のドリスコールによって提唱されました。今では、恋愛に限らず、何か障害があるとそれを乗り越えようとしてモラルが高まり、やる気がいっそう醸成されるような心理的現象を言います。

   うまくいっているように見える職場にも、思わぬストレスの種があります。職場の本質は今も昔も「競争の場」です。例として、A君31歳の転職のケースを見てみましょう。

2人からのプレッシャーが厳しく

上の「対決」に付き合うのも大変
上の「対決」に付き合うのも大変

   A君は営業職で、希望の会社への転職に成功しました。いわば順風満帆。しかし、配置された職場には厄介な問題が潜んでいました。将来の役員候補のポストを争っているらしいW部長派閥とX課長派閥が角を突きあわせていたのです。

   ある日「A君、食事でも行こうか」と温厚なW部長に誘われ、居酒屋で楽しい一夜を過ごしたら、翌日には、猛烈タイプのX課長の目つきが鋭くなっています。仕事はうまく進んでいるものの、2人の間に確執があり、互いに自己主張して譲りません。

   その狭間に放り込まれて、A君は、気が休まる時がありません。好ましく感じられるのは温厚なW部長、しかし直属の上司はX課長。そのうちにA君を自派閥に取り込もうとする2人からのプレッシャーが厳しくなり、出社するのもだんだん気が重くなってきました。 思い悩んでいたら、「最近転職してきたA君は新型うつらしい」という噂まで聞こえてきました。いったいどうしたらいいのか――A君はハムレットのような気持ちで過ごしています。

佐藤隆(さとう・たかし)
現在、「総合心理教育研究所」主宰。グロービス経営大学院教授。カナダストレス研究所研究員。臨床心理学や精神保健学などを専攻。これまでに、東海大学短期大学部の学科長などを務め、学術活動だけでなく、多数の企業の管理職向け研修にも携わる。著書に『ストレスと上手につき合う法』『職場のメンタルヘルス実践ガイド』など多数。
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