2019年 11月 16日 (土)

トルコ危機は「リラ買い」の好機なのか? 市場は「慎重な楽観主義」だが......(小田切尚登)

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   トルコリラの動きが激しい。2017年末に1ドル3.8リラ前後だったのが、18年8月13日には7.0リラまで下がった。その後ある程度戻して本稿執筆時点(8月17日)で5.8リラあたりにある。

   トルコリラの急落は、日本国内だけでなく、他の新興国さらには世界経済にまで影響を与えている。

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エルドラン大統領の独裁色強く

   トルコのGDPは、2017年末に8490億ドル(93.4兆円)で世界17位。上位国の一つであるが、世界経済を揺るがすほどの規模ではない。エマージング・カントリー(新興国)としては、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国)に次ぐ第二グループに属する。

   トルコではエルドアン大統領が2003年からトップとして君臨してきたが、近年は独裁主義的な傾向を強めている。福音派の米国人牧師を拘束していることに対してトランプ米大統領が釈放を要求し、両国の対立が激化した(福音派はトランプ大統領の強力な支持母体である)。ついには互いに輸入品へ関税をかけあう事態にまで発展してきた。

   ただ、トルコ経済が厳しい状況に陥ったのは、最近始まった話ではない。最大の問題は貿易赤字(輸入超過)が累積してきていたことにある。対外債務は2200億ドルとGDPの半分を超え、厳しい状況である。

   ドル建ての借金の割合が高いので、リラ安が進むと借金(リラ換算)がどんどん増えていく。インフレ率も20%を超え、国民の暮らしは苦しくなっている。

   自国通貨安を防ぐためには金利を上げるのが常套手段だが、エルドアン大統領はそれを拒絶している。

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ、60歳。
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