2019年 3月 20日 (水)

電気・ガス最前線、東京電力が顧客奪回に打って出る アライアンス戦略の「それから。」

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   2016年4月の電力小売りと、その翌年の都市ガス小売りの自由化によって勃発した「電力・ガス」の顧客争奪戦が激しさを増している。

   ガス会社をはじめとする新電力にシェアを奪われ続けている東京電力グループ傘下の東京電力エナジーパートナーは、そうした中で新たにアライアンス(業務提携)戦略を打ち出した。同社は東京電力の営業部門を担い、顧客との「接点」をつくる。そこで「柱」のアライアンス戦略の指揮を執る、リビング事業本部長付上級戦略担当の木下亮(まこと)氏に「戦いぶり」を聞いた。

  • アライアンス戦略で顧客との「接点」をつくる(リビング事業本部の木下亮氏)
    アライアンス戦略で顧客との「接点」をつくる(リビング事業本部の木下亮氏)

「お客様との接点」をつくる仕事

―― 木下さんは、珍しいキャリアの持ち主とおうかがいしています。

木下亮氏「私は、もともとは東京電力の出身ではありません。金融機関、経営戦略コンサルティングファームで、企業のM&Aなどに携わってきた経歴があり、2011年の東日本大震災のあとに経済産業省が所管する原子力損害賠償支援機構に呼ばれ、東京電力の再建に向けたコストダウンや資産売却などを担当してきました。
3年で会社に戻る予定でしたが、当時、一緒に働いていた経産省の上司から『(戦略策定だけでなく戦略の)実行まで見届けてはどうか』とのアドバイスを受け、2018年8月から現在のポジションに就きました」

―― リビング事業本部では、どのような取り組みを進めているのでしょう。

木下氏「リビング事業本部の中に『アライアンス推進プロジェクトチーム』を立ち上げ、10人ほどのメンバーとともに活動しています。我々の目標は、他業種とアライアンスを組んで、顧客の獲得を狙うことにあります。
というのも、東京電力の家庭分野は長い間ずっと独占状態だったため、営業が不要でした。しかし、2016年の電力小売りの自由化、2017年の都市ガスの自由化に伴う、いわゆる新電力の参入によって、初めて本格的な競争にさらされることになったのです。
たとえば我々と競合するガス会社は、お客様の家に行き、ガス栓を開ける担当者がいます。今はその担当者らが、お客様と接するタイミングで営業の役割も担っています。つまり、お客様と直接の接点があるわけです。
その一方で、電力会社の管轄は家の外にある電気メーターまでと保安上、そう決められています。そのため、一般家庭に担当者がお邪魔して、直接お話しする機会や接点がないんです。
『営業』という仕事は緒についたばかり。しかも一般家庭に直接営業できない我々がお客様を獲得するには、お客様との接点をもつ他業種とアライアンスを組んで、営業してもらうことが必須なのです」

―― どのようなアライアンスを考えているのでしょうか。

木下氏「目標に、三つの柱を掲げています。ひとつ目は、消費者と対面で接点をもつ個別企業とのアライアンス。そして、二つ目は『コミュニティでんき』という、特定のコミュニティをターゲットとした囲い込みを狙う作戦です。たとえば、中国電力が広島東洋カープと組んで、ファン向けに「カープ応援メニュー」というポイントサービスをつくっていたり、京都の浄土真宗の僧侶が檀家さん向けに「テラエナジー」という電力会社をつくったりしています。いろんな会社が、自社の商材の顧客の囲い込みやリレーションを図るために、電気を使いはじめており、そうした機会を開拓したいと考えています。
そして三つ目は、M&A(企業の買収・合併)で新電力会社と提携したり、場合によっては吸収したりすることです。新電力は何百社も立ち上がっていますが、競争の激化によってすでに休眠会社があったり、今後、事業が立ち行かなくなる会社が出てきたりすると思います。条件があえば、M&Aの可能性を探ることも考えています」
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