2020年 6月 6日 (土)

【SDGs大学長がゆく】障がい者による障がい者のための「生きた」事業を模索する

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   JR東海の高山本線と太多線、長良川鉄道の越美南線の3路線が乗り入れる美濃太田駅。その駅前の美濃加茂シティホテルの一角にある「caf?花笑み」を活動拠点としてスタートした、障がい者による障がい者支援の団体「一般社団法人 つながる未来(あした)」がある。

   現在、この団体ではフェアトレードされたオーガニックなコーヒーの販売と障がい者の悩みごとを物語にした本の出版を準備中だ。

  • 「障がい者が障がい者の悩みを聞く」場が必要(写真は、一般社団法人「つながる未来(あした)」の藤吉義純理事長)
    「障がい者が障がい者の悩みを聞く」場が必要(写真は、一般社団法人「つながる未来(あした)」の藤吉義純理事長)
  • 「障がい者が障がい者の悩みを聞く」場が必要(写真は、一般社団法人「つながる未来(あした)」の藤吉義純理事長)

障がい者が障がい者の悩みを聞く

   「つながる未来(あした)」が立ち上がったきっかけは、caf?花笑みの店主でもあり、団体の理事長を務める藤吉義純さんと障害をもつお客さんとの会話から始まった。

   その内容は、障がい者のお客自身の悩みではなく、作業所で働いている同じ障がい者の方々の、実情と彼らの未来についての憂いだった。

   健常者と障がい者との見えない壁を取り除き、障がい者のつぶやきを知ることが大切であると、感じていた藤吉さんが、常連客や知人に声をかけ障がい者と健常者をつなぐ場として、月に一度「つながるカフェ」と題して両者が対話のできる会合を設けることになった。

美濃太田駅前にある「café花笑み」が活動拠点
美濃太田駅前にある「café花笑み」が活動拠点

   その場は、障がい者の悩みと不満が溢れ出し、ふだん健常者が腫れモノを触るように聞きたくても聞くことができなかったことを聞けた会であったという。

   これをきっかけに、もっと障がい者のことを知らせることが大切と、美濃太田駅で作業所に通う障がい者の方々に、取材を始めた人物がいた。その人は10数年ほど前に病を患い、左半身に麻痺が残りながらも、団体の社員であり、今もA型作業所(一般の就労が難しい障がい者が、一定の支援を受けながら働くことのできる事業所)で働いている坂本義一さんだ。自身が障がい者でもあることから、本音に近い悩みや不満を聞き出すことができた。

   電話取材を加えて100人ほどの話を聞き、過去に出版社の編集制作に携わっていた経験を活かしてレポートをまとめた。その内容の多くは、障がい者の日常生活における問題であり、健常者がほんの少し意識を変えるだけで解決できるものだった。

   たとえば、聴覚障がい者が、病院で医者の話を聞こうとしても、マスクで唇が読めない。色弱の方からは、近年祭日が固定されていないので、赤色で表示されていても休日かどうかわからないなど、健常者がそんな方々の不便さを知っていれば、簡単に問題を解決することができるようなことばかり。見方を変えれば、ビジネスのヒントとして、貴重なレポートになると感じた。同時に、障がい者の不平不満、悩みがビジネスになるのなら、ハンディキャップは「資源」ではないかという意識が芽生えたのは、坂本氏の取材の効果といえる。

清水一守(しみず・かずもり)
清水一守(しみず・かずもり)
一般社団法人SDGs大学 副理事長・学長
愛知商工連盟協同組合 国際事業部参与、英国CMIサスティナビリティ(CSR)プラクティショナー資格/相続診断士
日本大学文理学部を卒業。大学では体育を専攻。卒業後、家業である食品販売店を継ぐも新聞販売店に経営転換。地域のまちづくりとして中山道赤坂宿のブランド化を推進した。その後CSR(企業の社会的責任)の重要性を学び、2018年7月から名城大学で「東海SDGsプラットフォーム」として月2回の勉強会を開催中。SDGsを広めるための学びの場として2019年10月に一般社団法人SDGs大学を開校。現在、SDGs認定資格講座やSDGsイベントなどを開催中。
岐阜県出身、59歳。
一般社団法人SDGs大学
SDGsを広めるために、誰もが伝道師となるような認定資格講座を5段階で設定。SDGsを学ぶきっかけの資格としてSDGsカタリストから始まり、そのカタリストを育成する上位のSDGsアドバイザー、アドバイザーを育成するSDGsカウンセラー、SDGs上級カウンセラー、SDGsコンサルタントを設けた。上位資格取得者が下位資格を育成するプログラムで、SDGsを広く浸透する活動に取り組んでいます。さらに、SDGsの理解を深めるため、資格取得者が各々のスキルとSDGsを連動した講座やイベントを各地で開催。また、大学の認定資格、推奨資格講座も準備しています。
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