2024年 4月 27日 (土)

「メンツが立てばやめる」ってホント? 英紙が五輪中止決定報道 政府が否定も「納得できない」の声

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バッハIOC会長「すべての選手は東京に来たがっている」

   このザ・タイムズの報道に対して、東京五輪・パラリンピック組織委員会は1月22日、真っ向から否定するコメントを発表した。

「政府においては、菅義偉総理が大会開催への決意を示しておられ、大会開催のために徹底的なコロナ対策を講ずることを主導いただいている。政府、東京都、組織委、IOC、IPC(国際パラリンピック組織委)などすべての関係機関が、安全で安心な大会開催実現に向けて準備に尽力してまいります」

と、菅首相の決意を強調。その政府も内閣官房が、

「日本政府が東京大会の中止を非公式に結論付けたとの旨の報道がございましたが、そのような事実は全くございません。現在、大会関係者が一丸となって準備に取り組んでいるところです」

と、報道を否定するコメントを発表した。

   一方、こうした報道に先手を打つつもりだったのか、トーマス・バッハIOC会長(67)は、ザ・タイムズの報道と同じ頃の1月21日、共同通信のインタビューに応じて、「あくまで開催する」と強気の姿勢を貫いた。共同通信(1月21日付)「東京五輪の中止、再延期を否定 IOC会長『代替案ない』が、こう報道する。

「バッハ会長は東京五輪について『7月に開幕しないと信じる理由は現段階で何もない。だからプランB(代替案)もない』と述べ、中止や再延期の可能性を否定した。感染力が強い変異種の拡大で悲観論が広がる状況にも、『(延期を迫られた)昨年とは比べられない。すべての選手が東京に来ることを望んでいる』とし、ワクチン接種を含む予防策に自信を示した」

というのだ。

   その一方で、

「安全が最優先という点でタブーはない」

とも語り、無観客や観客数を減らして開催する可能性は否定しなかった。そして、最終的な「観客数の判断」の時期については、

「3、4月が非常に重要になる。6、7月まで待てない」

と語ったのだった。

「日本政府は中止の結論を出した」と報じたザ・タイムズ紙(2021年1月21日付電子版)
「日本政府は中止の結論を出した」と報じたザ・タイムズ紙(2021年1月21日付電子版)

   その「観客数」について、「無観客」から「無制限」まで3つの案を政府や五輪組織委が検討していると報じるのは日本経済新聞(1月22日付)「東京五輪、無観客含む3案想定 『上限なし』『50%』も IOC検討要請」だ。

   それによると、

「今夏に延期された東京五輪・パラリンピックの観客数の上限を巡り、政府や大会組織委などが『上限なし』『50%』『無観客』の3つのシナリオを現時点で想定していることが大会関係者への取材で分かった。IOCから複数のケースを検討するよう要請があったという」

ことだ。

   1月に入り、首都圏に緊急事態宣言が出されたことが大きい。大会開催の懐疑論が国内外に強まるなか、感染状況をにらみながら検討を進める。無観客開催については、900億円も見込むチケット収入が失われるうえ、東京五輪でインバウンド(訪日外国人旅行客)需要による経済効果を当て込んでいた政府内でも慎重論が強い。

   しかし、日本経済新聞は、

「IOCの最古参委員、ディック・パウンド氏は大会が中止になるより、無観客の開催が妥当との意見を示していた」

と結んでいる。

   東京都医師会の尾崎治夫会長が、「東京五輪を開催するなら、ぜひ無観客で」と、朝日新聞のインタビューで訴えた。

   朝日新聞(1月22日付)「『五輪、無観客の検討を』都医師会長、医療逼迫(ひっぱく)を懸念」によると、大会計画では、医師や看護師ら計1万人以上が競技場や周辺の救護所に待機し、選手や観客の医療にあたることになっており、新型コロナウイルスの感染爆発によって、東京の医療体制が崩壊寸前のいま、そんな余力はないと、尾崎治夫会長は訴えたのだ。

「新型コロナ対応が長期化するなか、病院スタッフは疲弊し、PCR検査や自宅療養者の支援などで診療所の負担も大きい。いろんな国から人を呼び、世紀の祭典をやろうという発想は捨てないと無理。しかし、選手のことを思えば、開催できたらいい。五輪の本来の目的は、選手が集まり、競技できることでしょう。そこに目標を置くなら、無観客から議論を始めるべきです」

と強調したのだった。

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