2021年 4月 17日 (土)

上司も部下も全員「さん」づけで呼ぼう! 運動を進める東レ経営研究所社長の高林和明サンに聞く

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   会社の中では上司をどのように呼んだらよいだろうか。

「上司は『社長』『部長』『課長』などの役職名で呼び、必要に応じて『○○部長』と名前を付けて呼ぶのが正しいルールです」

   などとビジネス本に書いてある。

   ところが社長を含めた上司はもちろん、同僚、部下でさえすべて「さん」づけで呼ぼうと徹底させている会社がある。東レのシンクタンク「東レ経営研究所」(東京都千代田区)だ。

   いったいなぜ、そんな気やすい呼び方の運動を始めたのか。J‐CASTニュース会社ウォッチ編集部は、同社の高林和明社長、おっと失礼、高林和明さんに話を聞いた。

  • 「プロフェッショナルの部下を尊重したい」という東レ経営研究所社長の髙林和明さん
    「プロフェッショナルの部下を尊重したい」という東レ経営研究所社長の髙林和明さん
  • 「プロフェッショナルの部下を尊重したい」という東レ経営研究所社長の髙林和明さん

メールも「〇〇様」「〇〇部長」ではなく「〇〇さん」に

   高林和明さんは、三井グループ系企業の親睦紙「三友新聞」(2021年2月11日付)に「『さんづけ運動』について」というタイトルで寄稿して、

「社長たる私の役目は、軍隊のように上から指示、命令、管理することではなく、みんなが喜んで働けるような環境、働き甲斐のある会社の文化を作ることだと思いました。『さんづけ運動』はその礎になると考えました」

   と決意を述べている。

――「さんづけ運動」を始めたきっかけは何ですか。

高林和明さん「前任社長の神山健次郎さんから社長交代時に、『お互いに一人の人間として尊重しあうことを念頭に『さんづけ運動』を始めたので引き継いでほしい』と言われました。シンクタンクとして、専門職が多いこの会社のスタイルには合っていると思い、引き継ぐことを決意しました。お互いに意見が言いやすくなるし、敷居が低くなるだろうと思ったのです。
それ以前に勤務していたタイでは、4000人のトップでしたが、権力格差が大きい文化の国でした。上下関係があるのは当たり前で、部下は上司に従順に従います。たとえば、工場に離任挨拶に行った時は、玄関に従業員がずらっと並んで迎えます。3S運動(整理、整頓、清掃の職場環境の維持改善運動)のために社長が率先して朝早く門の前を掃除しようとすると、『使用人がやる仕事だ』とNGになります。
上司から言われたことを作業のようにこなすだけで、部下が上司の者に意見をいうことはほとんどない。意見はこちらから取りにいかないといけない。『ホウレンソウ』(報告・連絡・相談)が利かないというのが日本人駐在員の悩みです。日本でもそういう文化はありますよね。私が通った高校は、旧制中学の伝統を残していて学校全体が運動部みたいな感じでした。1年上は神様で、廊下で先輩に会うと全員に挨拶しなくてはならない。また、放課後の応援練習で歌を覚えていないと屋上で正座させられる。そんな雰囲気です。
日本は世界の中で、権力格差は真ん中あたりでしょうか。ファーストネームで呼び合う欧米が小さく、中国や東南アジアが大きい印象です。日本の中でもバラツキがあって、会社にもそれがあります。伝統的な企業ほど大きくて、IT業界などの新しい会社は小さい気がします。どの国でもだんだん権力格差が小さくなっていく流れになっていると思います」

――「さんづけ運動」を始める前は、具体的にはお互いがどのように呼び合っていたのでしょうか? 会社案内を見ると、専門職が多いためか、肩書がさまざまです。「社長」「部長」はわかりますが、「エグゼクティブエコノミスト」「チーフアナリスト」「シニアリサーチフェロー」「シニアコンサルタント」「主席研究員」...... となっています。
肩書をつけて呼んでいたとすれば、「〇〇部長」ならわかりますが、「〇〇エグゼクティブ(エコノミスト)」「〇〇チーフ(アナリスト)」「〇〇シニア(リサーチフェロー)」「〇〇主席(研究員)」などと呼んでいたということですか。

高林さん「いや、さすがにそれはない。『〇〇エグゼクティブ』とか『〇〇シニア』では呼びにくいでしょう(笑)。ふつうに『〇〇さん』ですよ。社長や部長を『〇〇さん』と呼び、部下には呼び捨てや『〇〇くん』ではなく、『〇〇さん』と呼ぼうということです。前の社長から引き継いだ時は、徹底していなかった。口頭で呼び合う時は『〇〇さん』でも、メールになると『高林様』とか『高林社長』になってしまう。これを『〇〇さん』に統一するよう徹底してもらいました。ただし、社外に発信する時は、失礼と受け取られかねないので、社内にとどめています」
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