2024年 4月 26日 (金)

「人類史的なエネルギー転換」が起きようとしている【震災10年 いま再び電力を問う】

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「特異」な日本の太陽光発電の事情

日本の太陽光発電は中国、アメリカに次いで世界第3位(写真は、飯田哲也さん)
日本の太陽光発電は中国、アメリカに次いで世界第3位(写真は、飯田哲也さん)

――国内の太陽光発電の状況を教えてください。

飯田さん「じつは日本の太陽光発電の設置量は世界で中国、アメリカに次いで第3位です。この要因には、2012年からの太陽光発電の固定価格買い取り制度(FIT=Feed-in Tariff)が大きく寄与しています。ただ、日本は太陽光発電を自ら増やしておきながら、それを活かさず、ここ5年間では政府や電力会社による封じ込めともいえる動きによって、太陽光発電の伸びに急ブレーキがかかった状態になっています。
一方で、世界では太陽光発電は爆発的に増え続けています。風力発電も増えていますが、電力転換の1丁目1番地は太陽光発電なのが世界の認識です。世界と日本では、太陽光発電に対する認識に真逆の、大きな落差があるのを感じます」

――なぜ、そのようなことになっているのでしょうか。

飯田さん「太陽光発電の設置は固定価格買取制度(FIT法)が施行された2012年から2014年に圧倒的な勢いで国に登録され、この10年間で供給する太陽光発電量も増えました。問題は、発生した太陽光発電を電力会社の送電線につなぐことでした。日本のFIT法では、当初、自然エネルギーを送電線につなぐことを義務付けましたが、あまりに数多くの太陽光発電などの自然エネルギーが電力会社に接続の申し込みで押し寄せたために、結果として2014年9月には九州電力が太陽光発電の受付中止を発表しました(第1次九電ショック)。その後、電力会社は自然エネルギーの接続できる量の「総量規制」を始めました。
また、利用する電力の優先順位や、送電線の増設や利用に係る費用負担も明確になっていません。電力の優先順位では、自然エネルギーより原発が優先され、先に抑制されるはずの石炭火力などが十分に抑制されていない問題があります。海外の制度では、化石エネルギーや原子力エネルギーよりも優先して自然エネルギーを利用するよう定めているのですが、日本では九州電力が2018年10月に始めたように、太陽光発電をさっさと止めてしまうことができてしまうのです(第2次九電ショック)」
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