2021年 5月 12日 (水)

「人類史的なエネルギー転換」が起きようとしている【震災10年 いま再び電力を問う】

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「ブラックボックス化」している送電線の費用や許容量

――送電線問題が、再生可能エネルギー普及の「重石」になっているのでしょうか。

飯田さん「そうですね。高速道路であれば、その建築物、利用状況や混雑状況は目で見てわかりますが、電気の送電線は、送電状況、送電許容量、老朽具合は電力会社にしかわかりません。太陽光を送電するための費用についても、その見積りの公正さは、国や電力会社の胸三寸になっているのが実態です。
数年前に、北海道で約1600キロワット、20億円規模の小水力発電の計画がありました。事業者から北海道電力に送電線への連系を依頼した時、その接続mのために送電線の増強に約270億円の見積りが北海道電力から出されました。小水力発電事業自体の10倍以上の費用がかかるばかりか、北海道電力の時価総額の約半分という水準です。果たして、その見積りは適切だったのでしょうか? 送電線の許容量の根拠は何だったのか? 本当に送電線の変更は必要だったのか? 実際の送電量を基準した場合、許容量でカバーできたのかもしれません。まさに、送電線は電力会社のブラックボックスなのです。その北海道の小水力発電は結果として断念を余儀なくしました。今の日本の自然エネルギーは、そのような異常に高い見積りなどで送電線に接続できないことが、最大の問題なのです」
「太陽光発電の電力を送電させるもさせないも電力会社の胸一つ」と語る飯田哲也さん
「太陽光発電の電力を送電させるもさせないも電力会社の胸一つ」と語る飯田哲也さん

――太陽光発電は「安定していない」との声は少なくありません。

飯田さん「太陽光発電の悪口には、『太陽光発電はお天道まかせであり、安定していない』という声が見受けられます。確かに、太陽光エネルギーは『自然変動電源』といわれ、変動はあります。しかし、『自然変動』はけっして『不安定』を意味しません。日本全国に数多くある太陽光発電や風力発電は、気象予測の進展も相まって、変動があっても出力は予測できるのです。
太陽光発電は、一つの規模が小さく、数十万基が広いエリアに分散しています。たとえ一部が天変地異の影響で止まっても、そのエリアで被害が生じたとしても、全体としては、影響は微々たるものに収まります。不安定という状況は、電力が供給できない状況になることです。たとえば、2018年の北海道地震では、そのエリアのすべてをカバーしていた石炭火力発電の3基がストップして、電力が供給できなくなりました。大規模で電力が止まる恐れがある状態を『不安定』といいます。太陽光発電には、そのような『不安定さ』はありません。また、気象は変動しますが、昨今では気候予測が精緻にできるようになりました。ゆえに、太陽光発電は『安定している』電力だといえるのです」
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