2024年 4月 26日 (金)

元伊藤忠会長の丹羽宇一郎さんでも入社2か月で辞めようと思ったことがある!【4月! 決めるスタートダッシュ】

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テレワークでは部長は部下に「背中」を見せられない

   本書を読んで、「猛烈ビジネスマン」だった丹羽さんらしいと思ったのは、いま新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府や経済界が盛んに推奨しているテレワークや在宅勤務に違和感を表明していることだ。

   「今はテレワークによる利点のほうに焦点が当たっていますが、中長期にはその弊害がボディブローのように効いてくるのではないでしょうか」とし、テレワークでは、部長は部下に「背中」を見せられない、と書いている。テレワークやAIでできないことこそ「部長の仕事」だというのだ。

   部長がリーダーになり、チーム一丸で価値観を共有し、仕事に邁進する。「死なば諸共」といった物騒な言葉も飛び出す。こうした発想に付いていけないという若い人も多いだろう。そもそも出世を望まない若い世代が増えている。

   また、入社数年で会社を辞める人も少なくない。そんな若者に向けたメッセージもある。丹羽さん自身、当時花形だった鉄鋼部門ではなく食料部門に配属され雑務ばかりの日々が続いた。辞めようと思い、恩師に相談した。「わずか2か月働いただけで仕事の何がわかるというんだ?」と諭され、思い直したという。

   「永遠に今のような仕事が続く」と思い込んだ誤解があった。3年懸命に働いて、自分に合ってないと思ったら、そのときに転職すればいい、と書いている。評者も「最初は3カ月、次は3年」と思い働くうちに、30年近く同じ会社にいたことを思い出した。

   部長をめざす中堅だけでなく、入社したばかりの新人、転職を考えている若手が読んでも、それぞれに参考になるエピソード、教訓に満ちた本だ。

「部長って何だ!」
丹羽宇一郎著
講談社
924円(税込)

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