2024年 4月 16日 (火)

天皇陛下「東京五輪での感染拡大をご懸念」 宮内庁長官、必死の諫言にまた耳を貸さない菅政権

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   ついに天皇陛下まで東京五輪開催の強行により、新型コロナウイルスの感染が拡大するのではないかと「ご懸念」を示した。宮内庁の西村泰彦長官が記者会見で明らかにした。

   天皇陛下は東京五輪・パラリンピックの名誉総裁であり、通常なら開会式で祝辞を述べる。国民の生活と命を重んじられる立場として、素直に祝えないお気持ちなのかもしれない。

   しかし、菅義偉政権には「お気持ち」がまったく伝わらないようだ。加藤勝信官房長官は、「発言は、宮内庁長官自身の考え方だ」との見解を示し、矮小化した。

   そんなことを言っているあいだも、東京都ではリバウンドがどんどん進み、恐怖のインド型変異株(デルタ株)が急速に広がっている。

  • 「安全・安心」としか言わない菅義偉首相
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宮内庁長官「陛下のお気持ちを報道してもらって結構だ」

   いったい、東京五輪を開いて新型コロナウイルスの感染拡大は大丈夫なのだろうか。天皇陛下まで不安の気持ちを表していることを、朝日新聞(6月24日付)「『陛下は開催で感染拡大しないか懸念と拝察』宮内庁長官」がこう伝えている。

「天皇陛下が名誉総裁を務める東京五輪・パラリンピックについて、宮内庁の西村泰彦長官は24日、陛下がコロナ禍の感染状況を心配しているとし、『開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されていると拝察している』と述べた。定例記者会見で、東京五輪での陛下の予定についての質問に対して答えた。陛下の懸念を西村長官は『私が肌感覚として受け止めているということ。直接そういうお言葉を聞いたことはない』と説明。『陛下が名誉総裁をお務めになる五輪・パラリンピックで、感染が拡大するような事態にならないよう感染防止に万全を期していただきたい』と注文した」

   これまで、日本で開かれた五輪では当時の天皇が開会式に出席。開会宣言をしている。1964年の東京五輪、72年の札幌冬季で昭和天皇が、98年の長野冬季では上皇さまが開会を宣言。今夏の五輪でどうするのかについて、政府は「開会式の具体的な内容は関係者間で調整している」としている。

   宮内庁長官から天皇陛下が懸念を示しているという発言が出たことは重大だ。記者団は執拗に念を押した。朝日新聞によると、こんなやりとりが続いた。

(宮内庁長官)「天皇陛下は現下の新型コロナの感染状況を大変ご心配しておられます。国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになる五輪・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されている、ご心配であると拝察しています。陛下が名誉総裁をお務めになる五輪・パラリンピックで、感染が拡大するような事態にならないよう組織委員会をはじめ関係機関が連携して感染防止に万全を期していただきたい、私はそのように考えています」
(質問)「五輪について開会宣言する場合、その文言は五輪憲章で決まっていて、『祝う』という文言が入る。中止論もある中で、陛下が大会開催を祝福するような文言を述べるのはどうか?」
(長官)「ご指摘のとおり、IOCのプロトコール(国際儀礼)で決まっていますので宮内庁として意見を申し上げることは控えたいが、感染防止に徹底を尽くしていただきたいということに尽きます」
(質問)「宮内庁として、文言の変更を申し出る考えは?」
(長官)「今のところはありません」
(質問)「陛下が、五輪が感染拡大のきっかけになるのを懸念されているというのは長官の拝察ということ?」
(長官)「拝察です。日々陛下とお接しする中で私が肌感覚として受け止めているということです」
(質問)「仮に拝察でも長官の発言としてオン(編集部注:オフ=オフレコではなく公式発言として報道すること)だから、報道されれば影響がある。発信していいのか?」
(長官)「はい。オンだと認識しています。私はそう拝察し、感染防止のための対策を関係機関が徹底してもらいたいとセットで」
(質問)「これは陛下のお気持ちと、受け止めて間違いない?」
(長官)「私の受けとりかたですから。陛下はそうお考えではないかと、私は思っています。ただ陛下から直接そういうお言葉を聞いたことはありません。そこは誤解ないようにお願いします」
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