2024年 4月 20日 (土)

自ら決めた強みはたいてい間違っている」? 売れる商品の「ウリ」の秘密【尾藤克之のオススメ】

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「ウリ」とは変化し、磨き続けるもの

   では、スターバックスはどうでしょうか。スターバックスの「ウリ」は何なのか、少し考えてみてください。コーヒーチェーン、つまり飲食店ですから、やはりコーヒーのおいしさだと思いましたか? しかし、かつてスターバックスは、コーヒーの目隠しテストで、マクドナルドに負けたことがあります。

   じつはスターバックス自身が提示しているウリは、「サードプレイス」です。サードプレイス、第3の場所。職場や学校ではなく、しかし家とも異なる、くつろげる第3の場所。それがスターバックスの価値だというのです。

   コーヒーチェーンなのに、おいしさで真っ向勝負はしていない。そう言われてみれば、あのフレンドリーな接客サービスや、座り心地のよいソファにも納得がいきます。

   iPhoneの「ウリ」はどうでしょうか。スティーブ・ジョブズがはじめてiPhoneのプレゼンテーションをしたとき、なんと言ったのか。ジョブズは、iPhone の価値を「電話機の再発明」と定義しました。たしかに、電話や携帯電話の文化そのものを変える商品です。ただ、その後はどうだったでしょうか。

   iPhone に限らずスマートホンは、メールやショートメッセージができ、ウェブサイトの閲覧や検索ができ、カメラや音声レコーダーになり、SNSや買い物、ゲームもできます。電話の機能はどうなったのでしょうか?

   「あ、そういえば電話もできますね」というくらい、iPhoneはなんでもできます。iPhoneは持ち運びできる手のひらサイズのコンピュータのようなもの。生前のジョブズが定義した価値からは、かなり離れてしまったと言えますが、ここが「ウリ」のおもしろさです。

   まったく同じ商品が、時代背景やライフスタイルによって「ウリ」を変えていきます。あなたの商品が選ばれる理由を、どんな言葉で打ち出すかは、まさに売れるか、売れないかを分ける生命線であり、戦略そのものだと理解できます。

   この本は、プロが指南する「ウリ」の実用書です。手に取れば、集客も販促もラクになるでしょう。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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