2024年 4月 24日 (水)

生き残りをかけた「地銀改革」! その光と影とは? ―地銀業界分析2021―(慶応義塾大学 八田潤一郎さん)【企業分析バトル】

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   銀行というとどういったイメージをもつだろうか――。大学生からみると、一時より衰えたとはいえ、まだまだ就職活動で人気のある企業だ。外資系やメガバンクはもちろん、地方銀行も地域特化型として例外ではない。

   一方で、マーケットの評価は低下し続け、目安となるPBR(株価純資産倍率)1倍以下はもちろんのこと、低PBRランキングをほぼ独占し、PBR0.1倍台などといった銀行が続出する。

   その理由は説明するまでもなく、低金利で利ザヤが稼げなくなったことに加え、さまざまな経費が圧迫している。加えて、ネット銀行の台頭や人口減少は拍車をかける。そんななか、その圧倒的規模を武器に海外や非金利ビジネスに活路を見出すメガバンクに対して、地方銀行は少子高齢化・人口流出もあり、一段厳しい環境にあるのは市場評価を見ても一目瞭然だ。今回はその地銀についてみていきたい。

   なお、短期運用とした「玉井商船」(9127)を売却した。

  • 就活生に根強い人気の地方銀行を「研究」する(写真はイメージ)
    就活生に根強い人気の地方銀行を「研究」する(写真はイメージ)
  • 就活生に根強い人気の地方銀行を「研究」する(写真はイメージ)

数が多すぎる?

   一般社団法人全国地方銀行協会や第二地方銀行協会の会員を、一般に地銀というが、その地銀に対して、現在の菅義偉首相が「将来的には、(地銀の)数が多すぎるのではないかと思う」(NHK 2020年9月29日付)と発言したことは記憶に新しい。

   確かに、多くの合併など再編を経たメガバンクと比べ、地銀の再編は進んでいない。金融当局の手厚い保護のもと、競争が少ない護送船団方式で長らく運営されてきた弊害だろうか。しかし冒頭にあげた、低金利且つ人口減少を辿る今、地銀の生き残りをかけた改革が始まっている。

   銀行の本業であり、収益柱の利ザヤの基準となる金利を確認する。マーケットの中心、アメリカでは雇用やインフレの面から繰り返しFOMC(米連邦公開市場委員会)でテーパリング(量的緩和の縮小)の議論はなされ、遅かれ早かれ開始するだろう。

   最もインフレ率をはじめ、一過性の要因であるという見方もあり、デルタ株が猛威を振るうなかでは経済見通しは不透明だ。米国10年債利回りは足元では再び軟調色だが、最悪期は脱しており、感染状況次第だが、FOMCの動向を踏まえれば、いずれ緩やかな上昇基調に戻っても不思議はない。一方の日本は日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を用いており、金利の動きが制限されているために銀行は厳しい収益環境にある。

   なお、こちらも先の日銀政策点検で「日銀、長期金利の変動幅を上下0.25%程度に拡大」(ブルームバーグ2021年3月19日付)とされ、より柔軟に運用される意味において、最悪期は脱したかもしれない。

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