2022年 1月 28日 (金)

コロナ禍でも絶好調だった米国株 2022年、最大の問題はインフレだ!【小田切尚登のマネーの寅年】〈後編〉

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   2021年の米国経済は絶好調であった。経済指標は、史上最高のオンパレードである。

株価が史上最高値!
GDPが史上最高!
住宅価格が史上最高!
小売の売上が史上最高!
賃金が史上最高!
求人数が史上最高!
......。

   アメリカの労働者にとっては給料が増えたことが最大の朗報だが、株価と不動産価格も上がったので、大半のアメリカ国民が経済成長の恩恵を受けた。アメリカ人の過半数が株式を持ち、アメリカの世帯の約3分の2が自宅を保有している。

  • 2021年、多くのアメリカ国民が経済成長の恩恵を受けた(写真は、米ニューヨーク証券取引所)
    2021年、多くのアメリカ国民が経済成長の恩恵を受けた(写真は、米ニューヨーク証券取引所)
  • 2021年、多くのアメリカ国民が経済成長の恩恵を受けた(写真は、米ニューヨーク証券取引所)

米国がコロナ禍で学んだこと

   米国では貧富の差が大きいことが知られている。しかし、過去二年間は金持ちもそうでない人たちも、まんべんなく経済成長の恩恵を受けてきた。上のグラフにあるように、中位以下の人たちの純資産は1.7倍になった。上位に比べるとその絶対額は圧倒的に少ないが、一歩前進だとは言えるだろう。

   新型コロナウイルスの感染拡大について、米国の状況は決して芳しくない。今までに500万人を超える人が亡くなっており、日本はもとよりヨーロッパ(欧州連合=EU)よりも悪い。しかし、米国は経済に対するダメージを最低限に抑えている。

   最悪だった2020年は、コロナ禍のためにGDP(国内総生産)はマイナス3.4%となったが、それでも日本(マイナス4.6%)やEU(マイナス6.5%)よりはましだった。それが2021年はプラス5.6%と大幅なプラスに戻している。

   一方で、2021年に日本は1.8%、EUは5.2%の伸びにとどまった(経済成長の数字は経済協力開発機構〈OECD〉の数字による)。

   今はオミクロン株が広がっているが、これは米国の経済に悪影響をほとんど与えていない。「感染症なんかにやられてたまるか」という心意気ではねつけているかのようだ。着実な経済成長がその政策の妥当性を示している。コロナ対策を優先して人々の活動を抑制し続けると経済がボロボロになってしまうことを米国政府は学んだようだ。

   米国はダメージを受けるのも早いが回復も早い。企業はダメなビジネスをどんどん見限って、成長しそうな分野に舵を切る。それが経済発展の原動力になる。人々は状況の変化に応じて転職し、あるいは起業する。

   失業率をみると、コロナ禍が最悪となった2020年春には急増して15%近くまでいった。米国は労働に関する規制が緩めなので、経済が悪くなると失業者が一気に増える。しかし、労働者が比較的若く柔軟性があるため、いったん経済が回復すると短期間に雇用が戻る。2021年の秋以降は失業率が4%台に落ち着いた。

   このところは経済の好転によって人手不足になり、賃金の上昇が加速している。賃金は2021年に約5%、2020年からの二年間で約10%上昇した。最低時給はアマゾンで18ドル(2070円)、バンク・オブ・アメリカでは21ドル(2415円)にまで上昇した。

   若い労働者を確保するために大学の学費を払ってくれる企業も増えてきている。

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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