原材料費高騰で価格転嫁できず...「泣き寝入り」企業多すぎ! 3%賃上げなんて無理筋では?

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「泣き寝入り」建設、農林水産、飲食店の悲痛な声

   それぞれの企業の声を紹介しよう。まず、「元を取った」企業の声は――。

「品薄な商品の値上げが浸透してきている」(鉄鋼卸売)
「ウッドショックと称される原木価格の高騰によるコスト増は否めない。しかし、製品の引合いは好調で、製品単価の引き上げにより収益は確保できている」(合板製造)
「原材料価格の上昇は痛手も、これを理由とした製品価格の値上げが比較的受け入れられている。また需要も堅調に推移し、顧客の買い控えなどは起きていない」(石油化学系基礎製品製造)

   一方、価格転嫁ができず「泣き寝入り」した企業からは悲痛な声が多く聞かれた。帝国データバンクに詳細を求めたところ、以下のような声も届いていたという。詳しく見ていこう。

「仕入先の中国が天候不順により、関係作物の不作で原料が高騰。また、コンテナ不足などによる海上運賃高騰、輸入仕入取引上で円安傾向にあり仕入高が昨年より10%アップも。しかし販売価格に転嫁できず、業績悪化に繋がっている」(食料品卸売)
「燃料の高騰を受けて、また時間外労働の罰則付き上限規制施行に向けて労働環境整備のため価格転嫁(運賃の改定)を進めなければならないが、コロナの影響や原材料高の状況下、なかなか荷主企業に理解を得られない」(運輸)
「コンテナの運賃は高いまま。本船が遅れたまま。船会社だけが儲けており、荷主は運賃の高騰分を転嫁できず。荷物は若干動き出したが...」(倉庫)
「半導体不足、東南アジアのロックダウンに伴う部品入荷の遅延に加え、材料費高騰、燃料費高騰、尿素・油脂類の入荷未定などにより、予定が立ちません」(化学)
「飼料価格が高騰しているが、鳥インフルエンザ後の生産回復とコロナ禍の需要減により、コストに見合わない相場となっている」(農林水産)
「遊ばない程度の仕事はこなしているが、年度末に向けて、受注物件が少ない状況。当社と協力関係業者も同じ状況。資材の高騰、オミクロンの今後の影響による、経済の循環が悪い状態と耐えている」(建設)
「建築材料(木材)の仕入れに関してウッドショックの影響をダイレクトに受けており、またコロナの影響で海外製品が品薄なため工期終了までに納品できない。材料高騰を顧客へ反映できないため、大幅な利益の減少になっている」(建設)
「大手の過当競争で、販売単価が原料資材高騰の中でも上がらず、むしろ低下している。量販店スーパーの思うつぼにはまり、抜け出せない状況が続いている」(飲食料品卸売)

   このように、苦境を訴える声が相次いでいるのだ。

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