2024年 4月 19日 (金)

社内に眠れる「宝の山」顧客情報、ベストな使い方は? メールニュース送付で「問い合わせ」増えた具体事例とは〈その4〉(大関暁夫)

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どうしたら読者は関心を持つか?

   具体的なHP誘導例をひとつ上げておきます。モータ開発・製造A社の場合、小型・軽量でありながら、強い出力を持つことが自社製品のセールスポイントでした。主に、展示会で名刺交換をした企業の担当者宛に、定期的な製品案内メールを送付していましたが、一向に自社ページへのアクセスが増えません。そこで担当者は、自社製品を採用してメリットがあった事例をメールニュースとして送付することにしました。

   取り上げたのは、試作段階での事例でした。電動車イスのモータにA社製品を採用したケースで、電動車イスの大きな課題点であった総重量について駆動パワーを落とすことなく軽くすることに成功した、との話を掲載しました。

   すると、多くの読者の関心をもってくれたようで、過去にないほどメール記載のリンクからHPへのアクセスが増え、同時にHPからのカタログのダウンロードや電話やメールでの問合せも急増したのです。具体的な例をあげることで、もしかすると、他の製品(たとえば「AGV=無人搬送車」や電動自転車など(でも効果が期待できるかもしれないという、単なるモータ製品紹介メールでは思い浮かばなかった製品活用イメージがわいて、問い合わせ行動を促したといえます。

   このような事例は、社内にたくさん潜んでいます。とくに、日々リアルで顧客と接しているフィールドセールスの担当者は、情報の宝庫です。A社のケースもそうですが、必ずしも成約にまで至っていない事例でも、活用法や効果を知らしめる話題は山ほどあるのです。

   そういった事例を担当者個人の頭の中だけに埋もれさせないことが大切です。そのためには、フィールドセールス・グループとの情報ミーティングを定例で実施する必要があります。お客様の声を中心として、どのような引き合いがあったか、どのような業界がどのような理由で自社に関心を示しているのか等々を、情報として共有するのです。

   これは、「営業成果の法則」(営業成果=営業知識量×営業活動量)における、営業知識の中の経験知識(他人経験)にあたります。リアルの営業担当者が同僚の経験知識を活用するだけでなく、インサイドセールス・グループも営業担当である以上、営業成果の法則は当然あてはまります。他人経験の経験知識を駆使して、顧客候補宛のメールニュースで、いかに関心を呼ぶ情報を掲載するかに腐心することが、HP誘導という成果につながるのです。

   「営業成果の法則」については、「営業成果の法則と必須な営業知識を知る! 「基本」はオンラインでも変わらない(大関暁夫)」もぜひご覧ください。

(大関暁夫)

(※注)具体的なご相談は、本コラム共同執筆者藤崎健一さんが経営されるディーキューブ株式会社にご相談ください。

★ディーキューブ株式会社
ディーキューブ株式会社|デジタルを活用した法人営業のしくみ化のエキスパート (dcube.jp)

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大関 暁夫(おおぜき・あけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役 企業アナリスト
東北大学経済学部(企業戦略論専攻)卒。1984年、横浜銀行に入行。現場業務および現場指導のほか、出向による新聞記者経験を含めプレス、マーケティング畑を歴任。全国銀行協会出向時には対大蔵省(当時)、対自民党のフロントマンも務めた。中央林間支店長に従事した後、2006年に独立。銀行で培った都市銀行に打ち勝つ独自の営業理論を軸に、主に地域金融機関、上場企業、ベンチャー企業のマネジメント支援および現場指導を実践している。
メディアで数多くの執筆を担当。現在、J-CAST 会社ウォッチ、ITメディア、BLOGOS、AllAboutで、マネジメント記事を連載中。
1959年生まれ。
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