記録破りの猛暑に襲われているニッポン列島。今年は秋に入っても「食品値上げラッシュ」の猛威が収まらず、冬場まで憂鬱なシーズンが続きそうだ。
帝国データバンクは2022年8月1日、「特別企画:『食品主要105社』価格改定動向調査(8月)」を発表したが、9月以降には約8000品目が値上げされる予定で、年内累計は2万品目を超える勢いだという。
値上げの最多は加工食品、冷凍食品利用者はピンチ
「値上げラッシュ」が今夏以降、本格化する見通しだ。帝国データが主要食品メーカー105社に今年1月以降値上げした品目を聞くと、7月末までに累計1万8532品目に達した。このうち、8月単月での値上げは2431品目に上り、単月で初めて2000品目を超えた。
値上げの勢いは秋口以降も止まる気配がみられず、10月は6305品目で値上げ計画が明らかになっており、単月としては年内最多となる=図表1参照。このペースで推移すると、年内の累計値上げ品目数は8月中に2万品目超えが確実となる。
また、各品目の値上げ率(各品目での最大値)は平均で14%となり、6月末時点の13%から上昇した。5月までは小麦など原材料価格の高騰が値上げの主な理由だった。だが、現在は原油高による輸入・物流コストの上昇、さらに円安にともなう輸入コストの上昇へと変化している。
食品分野別に値上げした品目をみると、最も多いのは加工食品で7794品目。前月から1000品目超増加し、全品目のうち唯一7000品目を超えた。値上げ率も平均で16%に達している。とくに、今年後半にかけて大幅に値上げする食品が多い=図表2参照。