「物価高倒産」過去最高! 街の人気スイーツ店、パン屋、自動車販売...新型コロナ打撃に加え、円安・電気代高騰が「最後の追い打ち」

コンビニとの価格競争に敗れた人気店

人気のスイーツ店だったのに...(写真はイメージ)
人気のスイーツ店だったのに...(写真はイメージ)

   8月に倒産した主な事例を見てみよう。

(1)(株)お菓子の店アリタ(長崎市)。

   負債約3億8000万円。1968年個人創業の菓子製造小売業者。ケーキ、シュークリームなどの洋菓子製造・小売を手がけ、店舗販売以外にも催事販売を手がけた。県下でも相応の知名度を持ち、とくにシュークリームは、ピーク時には1日に2500個も完売する人気商品となり、好業績を背景に店舗数を6店まで拡大、2013年6月期は年売上高5億円を計上。

   しかし、スイーツ部門を強化したコンビニ各社との競合激化で来店客数が減少。広告宣伝費や材料費などのコスト削減に努めたが、もともと財務状況が脆弱だったところに、新型コロナや原材料費の高騰が追い打ちをかけ、資金繰りが悪化した。

(2)タカダ(株)(茨城県筑西市)。

   負債約1億1000万円。1950年創業の金属製建具工事業者。地元木造建築工事業者の下請けで、住宅などのアルミサッシ取付工事を軸に手がけ、受注が好調だった2001年5月期は年売上高約2億1800万円を計上していた。

   しかし、大手ハウスメーカーの台頭などから得意先の受注棟数が落ち込んだ。工事単価引き下げの影響も加わり、2019年5月期の年売上高は約6200万円と3分の1以下に減少、赤字決算が続いた。新型コロナ拡大を受け、住宅需要が大きく後退。資材価格の高騰もあり、厳しい資金繰りに拍車がかかった。

(3)(株)東日本産業(宮城県利府町)。

   負債約2億2200万円。2005年創業の中古車販売業者。仙台市内も含めて計3店舗を運営。中古自動車の展示販売や、インターネット・雑誌媒体などを通じた通信販売を行うほか、保険販売、自動車整備・修理など幅広く手がけ、2018年9月期の年売上高は約6億7200万円を計上。

   しかし、競合激化から値引き販売を余儀なくされ、人件費負担も収益を圧迫。2019年3月に新規事業にも進出したが成功せず、収支一杯の状況に。新型コロナ関連融資で凌いでいたが、オークションでの仕入れ価格上昇で採算性が悪化、資金繰りが限界に達した。

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