「パワハラ表彰」に「シャブ漬け戦略」...ヘンなことだらけだった2022年を振り返る。教訓とすべきトピック5選【vol.20】(川上敬太郎)

   気がつけば、もう年の瀬。スーパーの入り口周りには、色とりどりのしめ縄が並ぶ季節となりました。あっという間に過ぎつつある一年ですが、今年も「なんかヘンだな?」と思う会社まわりのトピックがたくさんありました。

   そこで、当コラム『ここがヘンだよ会社の常識』にて、2022年に取り上げた話題を振り返り、印象的だった5つを選出して、最も教訓とすべき話題に『教訓トピック大賞2022』を贈りたいと思います。

  • 2022年を振り返る
    2022年を振り返る
  • 2022年を振り返る

見落とされている週休0日の仕事にも議論を

   まずは、名だたる会社が導入を進めているという週休3日制。働き手にとって休みが増えることはありがたいことです。海外で行われた実験では、週休3日制にしても生産性は下がらず、幸福感は上がったとする報告もあるとか。

   その一方で、見落とされている週休0日の仕事があります。

   それは、家事や育児。

   多くの会社では週休2日が導入されていて、それを3日にするとか議論されています。なのに、365日週休0日で家事育児に勤しむ主婦たちの休みについての議論が進まないのってヘンです。思えば、この時期、年末年始なんて、主婦にとっては繁忙期でしかありませんね。

多様な働き方へ...「週休3日制」検討企業相次ぐ なのに、身近な「週休0日」の仕事改革がスルーされてしまうのはナゼ?【vol.11】(川上敬太郎)

   ノミネート2つ目は、大手回転ずしチェーン店で起きたライバル会社の機密情報持ち出し。回転ずしチェーン店を巡っては、他にもパワハラやおとり広告など不祥事が続きました。 会社の業績を上げようと頑張った結果なのかもしれませんが、やってることがヘンです。不正をはたらいた結果、競争には負け、回転ずしを食べることを楽しみにしている子どもたちもガッカリさせてしまいます。

「会社のために不正を働く」人って、最も肝心なことを見落としてませんか?【vol.17】(川上敬太郎)

   ガッカリといえば思い出すトピックが、ノミネートの3つ目のこの話題。表彰の際に「あーあって感じ」と、普通はガッカリした時に使う言葉が書かれた賞状ならぬ「症状」を渡すなどのパワハラで、社員が自ら命を絶つほどに追い込んでしまった住宅メーカー。かなりヘンな「ノリ」のある職場だったようですが、苦しんでいる社員に目もくれない姿勢は最悪の事態を招いてしまいました。

度を超える言動、無自覚で社員を追い込むことも...職場のノリってそんなに大切なんでしょうか?【vol.14】(川上敬太郎)

川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
ワークスタイル研究家
男女の双子を含む、2男2女4児の父で兼業主夫。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業の事業責任者を経て転職。業界専門誌「月刊人材ビジネス」営業推進部部長兼編集委員、広報・マーケティング・経営企画・人事部門等の役員・管理職、調査機関「しゅふJOB総合研究所」所長、厚生労働省委託事業検討会委員等を務める。
雇用労働分野に20年以上携わり、仕事と家庭の両立を希望する「働く主婦・主夫層」の声延べ4万人以上を調査・分析したレポートは200本を超える。
NHK「あさイチ」、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」などメディアへの出演、寄稿、コメント多数。
現在は、「人材サービスの公益的発展を考える会」主宰、「ヒトラボ」編集長、しゅふJOB総研 研究顧問、すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役、JCAST会社ウォッチ解説者の他、執筆、講演、広報ブランディングアドバイザリー等の活動に従事。日本労務学会員。
1973年生まれ。三重県出身。
姉妹サイト