「がん征圧月間」期間中の2025年9月18日、「がん領域におけるSDM(協働意思決定)セミナー」が都内で開催された。
主催したのはメルクバイオファーマ。1668年にドイツで生まれた、サイエンスとテクノロジー企業・メルクの日本法人で、主にがん、不妊治療などの医薬品や医療機器を供給する会社だ。
SDMは「相談して協力して一緒に悩んで決めること」
セミナーの冒頭、メルクバイオファーマ代表取締役社長のジェレミー・グロサス氏は「当社は一貫して『患者主導』を心掛けてきました」としたうえで、こう話した。
「そのプロセスを私たちは3段階にわけて考えています。まず、患者様や家族の声に耳を傾けること、次に患者・介護者組織とグローバルに協力し、治験や、ヘルスケアの優先事項に取り組み、社会的な不平等の解消に取り組むこと、そして、患者様が医薬品をより使用しやすくなり、健康になり、生活の質の向上に結びつくよう心がけています」
そうした企業であることから今回、SDM(Shared Decision Making)をセミナーのテーマに選んだのは自然な流れだろう。SDMは、まだなじみが薄い用語だが、「協働意思決定」と訳される。
このセミナーでゲストプレゼンテーションを担当したSDMの第一人者、中山健夫(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野)教授によると、「SDMとは、どうしていいかわからない時、相談して協力して一緒に悩んで決めること」と言う。