ドイツに本社を構えるSTIHLは、チェーンソーをはじめとしたパワーツールのメーカーだ。99年の歴史を誇る。
同社の製品は今日、160か国・地域で販売。日本では、ガーデニングで活用される芝刈機や刈払機、木のせん定に使う高枝カッターやヘッジトリマー、さらには高圧洗浄機、ブロワーほか製品ラインアップを拡充している。J-CAST会社ウォッチではこのほど、ドイツ本社にある「STIHL Brand World」を取材する機会を得た。同社の主軸製品であるチェーンソーを中心に、その内部を紹介したい。
「自然の中で、自然と共に働く人々の作業をより快適に」
STIHLは1926年、ドイツ南西部の都市シュツットガルトで誕生した。創業者の Andreas Stihl氏以降、今もStihl家の「ファミリービジネス」が続いている。
同社の歩みとこれまでのイノベーションをたどれるのが、現在の本社があるヴァイブリンゲンに建つ地上3階のミュージアム「STIHL Brand World」だ。STIHL本社 ブランドワールド・ビジターサービス マネージャーのフェリックス・ワイブレンさんに案内してもらった。
最上階の3階から、ツアーがスタート。ここはSTIHLの歴史を紹介するフロアだ。最初に目を引いた展示は、創業者Andreas Stihl氏の似顔絵と、現在の会社の理念となっている言葉だ。英独2か国語の併記で、次のような意味合いになる。
「自然の中で、自然と共に働く人々の作業をより快適に」
当時、森林での木の伐採はおのを使った手作業。重労働で危険だった。さらに重い木材を運び出し、工場で加工しなければならない。そこで、森の中へ持ち込めるチェーンソーの開発を目指し1926年、STIHL社を創業したのだという。以後、この理念を体現する努力が続けられている。