「チェーンソーのパイオニア」STIHLの歩みをたどる 企業ミュージアム「STIHL Brand World」をドイツで取材

「革命的」チェーンソーは10年間で100万台売れた

   創業年の1926年にSTIHLが開発したチェーンソーが、展示されていた。3馬力のパワーが出たが、重量48kgと大変重いため、使用するには2人がかりだった。また、電源が必要で、森には持ち込めなかった。その3年後、ガソリンエンジンによるチェーンソー(6馬力、46kg)を開発。最初の「森に持っていけるチェーンソー」だ。伐採作業はそれ以前より、ずっと効率的になった。

   1930年代には北米で販売開始。アメリカ東海岸で需要が旺盛で、次は西海岸でセールス営業するとこれまた好評。そこでいったん東海岸に戻って商品を調達してから西海岸で販売したのだとワイブレンさんは説明した。

   1950年に、1人で使えるチェーンソーを開発。4.5馬力、19kgと当初の製品よりずっと軽量化された。そして、「CONTRA(コントラ)」という、ワイブレンさんが「革命的」と表現したチェーンソーが1959年、誕生した。

   「コントラ」は10年間で100万台を売り上げた、大ヒット商品だ。12kgで6馬力。多くの作業者が使うチェーンソーとして定着したことで安全性もより配慮され、1964年には駆動中の振動を抑える防振機能も搭載された。

姉妹サイト