「チェーンソーのパイオニア」STIHLの歩みをたどる 企業ミュージアム「STIHL Brand World」をドイツで取材

創業家と従業員が「同じ釜の飯」

   STIHLは現在も、Stihl家が100%所有している会社だ。その利点を、ワイブレンさんはこう説明する。

「景気の変動に左右されず、長期的な視点で経営ができます。また(Stihl家は)ビジネスをよく知っており、ぶれなくビジネスを進められます」

   2002年以降、創業家はアドバイザリーボードに入っている。今日でも、製品開発において助言を与えている。取材に訪れた日、ファミリーの人たちが従業員と同じ食堂で同じメニューの昼食をとっている姿を見た。実はこの光景は、ごく普通なのだという。

   日本では、帰属意識を高めることを示す言葉として「同じ釜の飯を食う」との表現がある。それはドイツでも同じなのかもしれない――。食堂での光景は、長い歴史の中で経営陣と従業員が一体となって会社を築いてきた様子がうかがえた。

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