今、リーダーに必要なのは「答えを出す力」ではなく「答えが生まれる場をつくる力」

   これからの時代に求められるリーダーの在り方とは――。変化の時代の中で、このテーマはいまこそ向き合う必要があるでしょう。ここ数年、リーダーを取り巻く環境は大きく変化しました。かつては、「経験がある人」「答えを持っている人」「強く引っ張る人」がリーダーとして評価されてきました。

   しかし、いまは違います。市場の変化は激しく、正解はすぐに陳腐化します。デジタル領域では、メンバーのほうが圧倒的に詳しいケースも珍しくありません。加えて、働き方の多様化により、同じチームの中でも価値観やキャリア観が大きく異なっています。

従来型の「トップダウン型リーダー」は限界

   このような状況の中で、従来型の「トップダウン型リーダー」は限界を迎えつつあります。リーダーがすべてを判断し、指示を出し、統制するというモデルは、スピードと多様性が求められる現場では機能しにくいのです。むしろ、リーダー自身が「わからないこと」を前提にしながら、チームとして最適解を見つけていくほうが、結果として強い組織になります。

   では、これからのリーダーに求められるものは何か。私は、「答えを出す力」ではなく、「答えが生まれる場をつくる力」だと考えています。メンバーが安心して意見を出し合い、挑戦し、失敗から学び、次につなげていく。そのプロセスを設計し、支えることこそが、リーダーの本質的な役割になってきています。

   最近よく耳にする「サーバントリーダーシップ」「心理的安全性」「自律型組織」といったキーワードも、この流れの中にあります。リーダーが前に立って引っ張るのではなく、メンバー一人ひとりの力を引き出すことに重心を置く。言い換えれば、リーダーは「プレイヤー」から「場づくりの設計者」へと役割がシフトしているのです。

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