2018年 7月 19日 (木)

前時津風親方ら逮捕 兄弟子たちも「被害者」か

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   時津風部屋の力士だった斎藤俊さん(時太山、当時17歳)が稽古後に急死した事件で愛知県警はきのう(2月7日)、傷害致死の容疑で前の時津風親方の山本順一容疑者(57)と兄弟子3人を逮捕した。事件発生から7カ月、ここまで長引いたのは、警察の初動捜査のミスだった。

警察官の鈍さ

   これまでの調べで、兄弟子からは、親方が「お前ら、やってやれ」と指示されたという証言があった。親方もビール瓶で殴ったことを認めてもいる。何度も逃げ出した俊さんに、リンチを加えたのか稽古をしたのか。昨2007年6月26日、30分に及ぶぶつかり稽古のあと死亡。前夜には、兄弟子に金属バットで殴られていた。

   しかし、死亡を確認した犬山署は、事件性を見抜けなかった。遺体は凄惨なものだったという。部屋ははじめ「火葬してお送りしましょうか」といってきたのを、父の正人さんは断った。正人さんによると「顔はぼこぼこ。耳から血、鼻は折れ歯も折れていた」。そして、息子を行政解剖に出し、結果を公表した。これがなければ、事件はヤミに埋もれるところだった。

   事件が表沙汰になったあとも、時津風親方は暴行を否定したが、相撲協会の事情聴取には事実を認め、協会は07年10月5日、親方を解雇していた。

   警察の捜査も、結局は正人さんが依頼した行政解剖の記録がもとになった。いわば、父親の執念だったといっていい。

   弁護士の大澤孝征は「現場で犯罪性を感じなかった警察官の鈍さ。ために、起訴するに充分な証拠を固める時間が必要になった」

   龍虎氏は「全責任は師匠にある。兄弟子たちは被害者ですよ。これからがんばってという若者なのに。親方にいわれればやりますよ」

   みのもんたは「TBSのドラマ『わたしは貝になりたい』を思い出す」といった。上官の命令で捕虜を虐待した。その結果死刑になるC級戦犯の兵士の物語だ。

   2人の相撲評論家がいった。杉山邦博氏は、「歴史に汚点を残した。協会がもっと前向きに手を打たなければいけない」

   中澤潔氏は「相撲界自体が自浄能力を高めないといけない。逃げる者は昔もいたが、追いかけなかった。いま、何度も逃げる者を追ってまで維持しなくてはならない国技とは何か」

   この問いは重い。

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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