2024年 4月 19日 (金)

向精神薬漬けにされる子どもたち―文科省方針で乱用・大量投与

専門医師「12歳ぐらいまではほとんど薬なしで乗り越えていける」

   国谷「なぜ学校と医療現場が繋がる傾向が強くなっているのですか」

   井上登志子記者はこう答えた。「最近は、発達障害やうつ病などの兆候をいち早く見つけ、早期治療に繋げて専門的なケアをした方が病状の悪化を防げるという考えが学校現場や医療の世界に浸透しています。文科省では子供の異変を見抜く教師向けの手引書を作成しているし、医師が学校へ入って行って教師の相談に乗るという取り組みも各地で始まっています。しかし、なかには深刻な副作用に苦しむケースも出てきています」

   児童精神科医の石川憲彦医師は「問題は2つある」と次のように指摘する。「10年ぐらい前からだが、精神障害の兆候があると親も先生も医師も見逃してはいけないという『善意と怖れ』の混じりあった意識が強く働くようになった。昔なら子どもの行動をこれは元気な証拠だとか、個性的だとか、面白い行動と見ていたのを、最近は問題行動と悪い方向で見るようになってしまった」

   では、成長過程の子どもを持つ親は子供の異変にどう対処すればいいのか。石川医師は「人間の脳は生まれ落ちた時にすでに土台と大ワクができている。5歳ぐらいまでに内装工事をしていくし、その後数年間はものすごい勢いで配線工事が起こる。私は12歳ぐらいまではほとんど薬なしで問題を乗り越えていけると思っている」

   福島原発事故の放射線汚染と似ている。国の方針、情報を鵜呑みにして子どもをくすり漬にすると取り返しのつかない事態になることもある。

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2012年6月13日放送「『薬漬け』になりたくない~向精神薬をのむ子ども~」

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中