国産木材が売れない!「質でも価格でも輸入材にボロ負け」いまや自給率2割

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   この頃は、テレビを見てもネットを見てもどこもかしこも日本の芳しくないビジネスに関するニュースで持ちきりだ。おまけに外国からは100年衰退するとか、経済小国になるとか、中国の陰に隠れるとか、明るくない未来を散々予測されてもいる。

   もうウンザリだ! 強く、勝つ日本、せめて外国に媚びない日本の話が聞きたい――といったニーズは一部で大変強いようだが、「クローズアップ現代」は残念ながら、そうした期待に添うものとは言いがたい。どこかのネットニュースでも読んだほうが、お手軽にいい気分になれるだろう。

宝の山になるはずが…植林ヒノキ・スギ収穫期で大量供給・価格暴落

   今回の芳しくないビジネスは「林業」である。日本の林業は高度経済成長期をピークに衰退していて、木材自給率は2割まで落ち、国産木材の価格は30年も下落を続けているという。そして今、そこに追い打ちをかけるように、価格の大暴落が起きている。戦後から数十年かけて植林してきた杉やヒノキがやっと収穫期を迎え、需要がないところに大量の木材が供給されたためだという。

   なぜ日本の木材は舶来品に勝てないのだろうか。少なくともこのビジネスにおいては、「質より値段が勝負の輸入品に、高品質高価格の国産品が負けてしまった」といった類の耳なぐさめになる理由ではないようだ。舶来品のほうが加工の精度や乾燥度合いといった品質で優れていて、価格もそうお安くないのだという。一方、日本の木材は売れないもんで、十分な設備投資などができず、品質が向上しない典型的な悪循環に陥ったらしい。他ジャンルのビジネスで現在から将来的に危惧される事態が林業ではすでにできていたわけだ。

   頭を抱えるような現状だが、番組のタイトルは「眠れる日本の宝の山~林業再生への挑戦~」と少々明るい未来志向になっていて、林業活性化の試みが紹介されていた。スタジオゲストの専門家、梶山恵司・富士通総研上席主任研究員も自信ありげである。

   「日本の林業は甦ることができると思いますか」。確信なさげな国谷裕子キャスターがソフトに聞くと、「甦ることができるかではなくて、甦らせるんです」と力強く言う。「戦後、苦労して植えてきた木を宝の山にするか、それともムダにするか。その瀬戸際です」

   なんとも厄介でおカネのたくさんかかりそうなお宝の山のようではある。

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2012年11月13日放送「眠れる日本の宝の山~林業再生への挑戦~」)

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