2024年 4月 27日 (土)

10代、20代女性「貧困」深刻!大半が非正規雇用。単身者の3人に1人が年収114万円以下

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   大阪市内の繁華街にある風俗店の応募ポスターに「寮あり、食事付き。保育施設完備」と書かれている。10代、20代の若い女性の貧困化が進んでいる。アベノミクスの成長戦略では女性が輝くことがうたわれているが、なぜ若い女性の貧困が加速しているのか。キャスターの国谷裕子は「若い女性の多くは正規雇用で働くことを希望しています。しかし、現実は若い単身女性3分の1、110万人が年収114万円未満の貧困層と見られます。この背景には、若い女性は結婚すれば家庭に入るという考え方が、世間にも本人にも色濃く残り、若い女性たちの貧困問題を見えにくくしています」と語った。

3つの仕事掛け持ちしても月に10万円

   埼玉県在住の鷲見千寿枝さん(19)は時給が高めの朝5時半からと深夜にコンビニエンスストアでアルバイトをしているが、それでも月収は5万円前後だ。「母親は体調を崩して寝たきり状態なんです。毎月1万円を母に渡していますが、この生活から抜け出したいです。夜間の保育士養成の学校に入ることに決めたけど、入学金が5万円、毎月の授業料が8万円。奨学金に応募したが、将来どうなるかわかりません」と不安でいっぱいだ。

   国谷「かつては、10代から20代の正規雇用で働く女性の割合は過半数を占めていました。しかし、現在は非正規雇用で働く若い女性の割合は57.5%と男性の2倍以上だといわれています」

   青森県から上京した19歳の女性は、朝10時からファミリーレストランで働く。午後はピザ屋のバイト、夜は深夜までスナック勤めだ。「きょうもいっぱい働いた気がするんだけど、それでもバイト代は月に10万円前後です」とうつむく。「いずれ結婚して子供を産むという考えはありますか」と聞かれ、「私1人だけでもこういう状態。とても想像できません」と声を落とす。

   若い女性の貧困で働き方に異変が起きている。首都近郊にある風俗店の求人に応募した30代のシングルマザーはなさんは、20代の頃も風俗店で働いていた。その後、転職したが体調を崩し退職してしまう。「生活保護を受けようと何度か役所に行きましたが、判定までは時間がかかると言われ、そんなに待てないと思い、自分で働くことを考えました」と古巣に戻ってきた理由を語った。

   取材を担当したNHK報道局記者の村石多佳子はこう解説する。「風俗店の仕事は見知らぬ男性と1対1となり、何が起きるかわからないという危険もあります。それでも風俗店で働くのは、店の雰囲気も良く、居心地も良いという依存する心理が働くようです。

   風俗店で働く若い女性の中には、育った家庭環境が厳しかった、家庭崩壊をしていたという女性が多く見受けられました。現代社会の階層化が進行していることを実感しました」

貧困が再生産=固定化される「階級社会」

   世界でも有数の経済大国でなぜこのような若い女性の貧困が進むのか。臨床心理士・鈴木晶子さんはこう話す。「若い女性はいずれ家庭に入り、夫の稼ぎで生活は維持されるという考えが今でも色濃く残っています。でも、現実は結婚適齢期の男性たちにも非正規雇用が加速しています。さらに、行政は縦割り組織で、生活保護はこちらのセクション、育児や子育てはあちらとバラバラです。包括的な支援体制ができていません。これは社会保障体制の敗北です」

   国谷「貧困問題を解決するために、いま何が必要でしょうか」

   鈴木「中学や高校生の段階から、貧困に悩む女性たちへの支援の手を差し伸べるべきです。また、家庭から独立して1人住まいを始めたときに、住宅問題がのしかかる例も見受けられます。低所得者向け住宅の拡大や、民間住宅を借りたときの保証金・家賃など諸費用の支援が必要だと思います」

   貧困化した人同士が結婚し、その子供は経済的困窮から大学などへの進学をあきらめざるを得ない。就職しても低賃金で置き去りにされ貧困は続く。日本は格差社会から、貧困が再生産・固定化される階級社会へと入りつつあるのだろう。

ナオジン

NHKクローズアップ現代(2014年1月27日放送「あしたが見えない~深刻化する『若年女性』の貧困~」)

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