2024年 4月 20日 (土)

東京湾の魚8割に「マイクロプラスチック」人間が食べても大丈夫なの?

   「東京湾のカタクチイワシの8割の内臓にごく小さなプラスチックが含まれていたことが分かりました」と司会の夏目三久が取り上げた。原因は何なのか。人体に影響あるのか。

   「イワシはよく釣れます。初めて聞きました。8割とは凄いですね」「イワシはそのまま全部丸揚げや唐揚げにして食べています。いやですね」。東京湾で釣りをしている人たちはみな驚いている。

5ミリ以下に砕かれたペットボトルやレジ袋

   東京農工大学などの調査で、カタクチイワシ64匹中49匹からプラスチックが検出された。見つかったのは、ペットボトルやレジ袋が時間をかけて紫外線や波によって砕かれ5ミリ以下になったマイクロプラスチックだ。環境資源科学科の高田秀重教授の調査に同行すると、網を投入し、海水を汲み上げてビーカーに移すと、小さなマイクロプラスチックが入っている。これを魚がエサと間違えて食べてしまう。

   イワシ以外にもサバからも検出されている。これまでの調査から、東京湾の魚の6~8割がマイクロプラスチックを体内に保有していると見られている。この魚を人間が食べるとどうなのか。高田教授は「プラスチック自体は体から排出されてしまうので問題はありません」と言うが、プラスチックは海の中の有害物質をひきつけやすいため、魚が食べると脂肪に有害物質がたまる。

   「現在はまだ量的に少ないんですが、将来、プラスチックの量が増えた場合、人への影響も考慮する必要があります。免疫能力が低下して、いろいろな感染症を引き起こす可能性があります」(高田教授)

中国、インドネシア、フィリピンが大量廃棄

   九州大学の研究では、日本近海のマイクロプラスチックは世界平均の27倍という調査もある。日本近海に多い理由のひとつは、中国などから流れてくるゴミだ。去年(2015年)発表されたデータによると、海洋に流出したプラスチックの量は中国が132万~353万トンと最多で、2位がインドネシア48万~129万トン、次がフィリピン28~75万トンとなっている。

   対策はあるのか。高田教授は「削減、再利用、リサイクル。この3つが有効な手段です」

   夏目「世界の海では5兆個のマイクロクラスチックが漂っているといわれ、世界的な問題になっています。日本でも真剣に考えなければなりません」

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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