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金持ちは幸せか?利子払いで眠れない孫正義、神がかりになってしまった「スリムドカン」創業者
詐欺師はいつの世にも出てくるが、60人から113億円を騙し取ったというのは、なかなかお目にかかれない事件だ。単純計算で1人当たり1億8000万円になる。やり方はよくある手で、先物商品の一時的な価格差を利用して確実に儲かるといってカネを集めた。だが、運用実態はなかったというものだ。
「クエストキャピタルマネージメント」という投資コンサルタント会社で、社長は松井直幸(47)、09年からやっていたそうだ。
こんないい加減な話に乗るほうがバカだと思ってしまうのだが、いるんだね、有名人にも。寿司チェーンの「小僧寿し」も1億円出資したそうだ。ミュージシャンで俳優のGACKTは自宅まで売却して数億円を注ぎ込んだという。「GACKTはガク然」(週刊新潮)なんちゃって。
やはりミュージシャンの布袋寅泰も江角マキコも被害者だそうだ。3人とも週刊新潮の取材に、出資したことは認めている。お気の毒に。
週刊現代はそんな金持ちたちが「幸福者」なのかどうかを調べた特集をやっている。まずは12年連続長者番付10位以内のダイエット食品「スリムドカン」を販売する「銀座まるかん」の創業者、斎藤一人(68)という人物。自らの金銭哲学や人生観を説いた本がベストセラーになるという。
そんな斎藤氏を病が襲う。ようやく回復してきたら、生死をさまよったことで自分は天照大神の生まれ変わりだといい出し、最近では自分の「念」を入れたという水晶玉や波動入りのマッサージクリームを売り始めたというのだ。新興宗教の教祖になって霊感商法のようなことを始めたことで、弟子たちが離れていってしまっているという。奥さんとも離婚したといわれているそうだ。
1992年に「インボイス」を創業して東証1部に上場した木村育生氏(58)は、08年のサブプライム危機のあおりを受けて、事実上の倒産をしてしまった。稼いだおカネはゼロに。今は稼がなくては食べていけないので、再び起業したという。
表を見ていると、M&Aに失敗してとか、脱税で在宅起訴された、不祥事を起こして逮捕、社長を解任など、一時期栄華を誇った人たちでも、死ぬまでカネ持ちで幸せに暮らしましたという人は少ないのかもしれない。ソフトバンクの孫正義氏は、売上高が8兆円なのに11兆円の有利子負債を抱え、その利子の支払いを考えると眠れないこともあると告白している。ユニクロの柳井正氏も、売り上げを維持していくためには拡大路線をとらざるを得ず、これからが不安視されている。
まあ、私のように由緒正しい貧乏人は「幸せは心の中にあるんだ」と、昔からの青い鳥神話を口にしていればいいのだから、気楽なものである。ストレスをためない、気楽に生きる、これが幸せだと思うが、それにつけてもカネの欲しさよか。