信用して大丈夫?「機能性表示食品」効果と安全性―届け出だけですぐ承認

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   「脂肪吸収を抑える」「ストレスを低減」「美肌に効果」を謳う機能性表示食品が続々と登場し、市場規模は1兆円になる。生活に定着しつつあるが、表示されているような効果はあるのか。健康食品には3つのカテゴリーがある。一般的に昔から健康に良いと言われる食品、安全性や効果について国の厳しい審査を受け特定保健食品(トクホ)の表示が許可された食品、含まれた成分が健康にいいと企業が判断し販売する機能性表示食品だ。

   トクホ食品は効果を明らかにするデータや論文を消費者庁に提出し、専門機関による審査を受けなければならないが、機能性食品は届け出だけですむ。その手軽さと安いコストから企業が続々と参入し、右肩上がりで売り上げを伸ばしている。大手食品メーカーが以前から販売していたヨーグルトを「機能性表示食品」の認可を取り、「お通じの改善に役立つ」と表示したところ売り上げが20%アップしたという。

   では、メーカーが謳う効果は信用できるのか。健康食品を取材している科学ジャーナリストの松永和紀さんによると、「メーカーが消費者庁に提出した論文では、効果が見えたのは8週目だけで16週目には効果がなくなっているのに、商品には『効果があります』と表示されているものもあります」

   ゲスト出演したタレントの山田まりや「生活の中に根付いているのに、効くかどうかわからないんですか」と驚く。消費者庁の岡村和美長官からして、「『届け出制』である以上、時間と費用をかけていないので、科学的根拠の低いものが出回る可能性自体は否定できません。消費者は慎重に選んでほしい」なんて話している。

米国は25年以上の安全実績が条件・・・日本はメーカーの利益優先?

   東京弁護士会は昨年1月(2016年)、安全性の確保が十分でないという理由で「機能性表示食品」の廃止を消費者庁に訴えた。一般食品を「機能性表示食品」に切り替える場合はより高い安全性が求められるはずで、アメリカは25年以上、オーストラリアやニュージーランドは5年以上の安全実績を判断の基準としているが、日本には明確な基準がなく、1年未満で機能性表示食品として認められている。

   トクホ食品は開発するのに1億円はかかるうえ、審査に通るのに3年もかかり、中小企業にとって商品化のコスト負担が大きい。機能性表示食品は簡単に認可されるので、「中小企業向けの産業振興策の色合いが濃い制度だと私は捉えている」(松永さん)。効果や安全性よりも、メーカーの利益優先なのだ。

   スタートして4月で3年目を迎える。制度の見直しをする時期に来ているのではないだろうか。

クローズアップ現代+(2017年2月8日放送「脂肪・ストレスが減るって本当?食品表示のウラ事情」)

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