2018年 5月 27日 (日)

武井咲の悪女っぷりもなかなか 現代に蘇る松本清張の世界
〈木曜ドラマ「黒革の手帖」〉(テレビ朝日系)

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   地味な女子銀行員がその立場を利用して大金を横領、それを元手に銀座のクラブのママとなり、夜の世界でのし上がっていく、松本清張原作の「黒革の手帖」。これまでにも何度か映像化され、山本陽子、大谷直子、浅野ゆう子、米倉涼子といった人気女優がヒロイン・原口元子を演じてきた。今回、その名作に23歳の武井咲が挑むということで、若すぎるのでは、と不安要素のほうが多く、あまり期待せずに見たのだが......。

   第1話を見て、これは面白い、とすっかりハマってしまった。もともと清張の原作なのでストーリーはお墨付き。とはいえ原作が発表されたのは1980年と今から40年近く前のこと。その作品をNHK朝ドラ「マッサン」の脚本家・羽原大介が現代に蘇らせ、まったく違和感のない世界を創り上げた。武井の悪女っぷりもなかなかなもので、意外にも和服が似合うのと、貫禄も感じられた。いつもは苦手だった武井の声も、この役には合っているのか、さほど気にならなかった。

   親の借金を返済するため、昼は銀行の派遣行員として、夜は銀座のクラブ「燭台」でホステスとして働く元子。ある日、誰かがSNSに顧客のことを書き込み、騒動になる。コネ入社の新人が犯人では、という噂が広まるも、元子と山田波子(仲里依紗)が支店長に呼び出され、契約の更新はしないと言われた。コネ入社の新人を守るため、自分たちを派遣切りした銀行に怒りを覚えた元子は、以前から、借名口座など違法な預金者の情報を書き込んだ黒革の手帖を武器に、1億8千万円を横領。銀座にクラブ「カルネ」を開店し、さらなる高みを目指すというストーリー。「派遣切り」や「加計学園」や「森友学園」を思わせる時事ネタが入れ込まれているのも面白く、次は何が出てくるか興味深い。

仲里依紗のホステスに注目

   衆議院議員秘書の安島(江口洋介)、政財界のフィクサー長谷川(伊東四朗)、元子のターゲットとなる楢林クリニック院長(奥田瑛二)、大手予備校「上星ゼミナール」理事長橋田(高嶋政伸)など、元子をとりまく男性陣の怪演ぶりも目が離せないが、なんといっても波子の仲里依紗に注目。前回の「あなたのことは、それほど」(TBS)の浮気される妻も背筋が凍るほど怖かったが、今回もまたやってくれた。地味な派遣銀行員からホステスへの豹変ぶりは見事だった。

   思えば、米倉涼子もこの「黒革の手帖」での主演をきっかけに飛躍した。同じ事務所の先輩の出世作を受け継いだ武井もあやかることができるかどうか。それも楽しみなところ。

(放送 木曜21時~)

くろうさぎ

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