池井戸潤原作ドラマの熱い男たちふたたび 陸上づいてる役所とピエール
日曜劇場「陸王」(TBS)

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   植木等の「スーダラ節」じゃないが、「わかっちゃいるけどやめられない」のが、日曜劇場×池井戸潤原作ドラマだ。「半沢直樹」以降、「ルーズヴェルト・ゲーム」「下町ロケット」、そして、今回の「陸王」と続く、熱い男たちの物語だ。

   それぞれ題材は違っても、毎回、主人公を難題が襲い、いよいよ駄目かとなったところで、なんらかの救いの手が差し伸べられて一段落。と思ったら、また新たな難題が......という御馴染のパターンが繰り広げられる。さらに戦隊ヒーローモノや時代劇並みに、敵味方がはっきりしているので誰が見てもわかりやすい。職場の連帯感は強固。勧善懲悪でいずれ悪者には天罰が下る。実社会では悪が滅びるとは限らず、もやもやを抱えながら日々過ごしている多くの小市民には、一服の清涼剤のようなドラマでスッキリすること間違いなしだ。

   埼玉県行田市にある老舗足袋屋「こはぜ屋」。足袋の需要は年々減少、同業者も次々と閉鎖するなかで、資金繰りにも苦労する日々。銀行の貸し渋りに遭い、新規事業を画策。これまで培った足袋製造の技術を活かした足袋型ランニングシューズ「陸王」の開発に挑む......。

   主演の役所広司と2話から登場の寺尾聰、ベテラン俳優2人の共演が見られるだけでも、価値がある。迫真の演技から目が離せなくなる。山崎賢人、竹内涼真という若手2大イケメンもいれば、緒形拳の孫・緒形敦というニューフェイスを登場させて話題性も充分。

   今回、あの元祖"顔芸"香川照之がいないと思ったら、同門から市川右團次がエントリー。悪者枠は、ピエール瀧に、吉本新喜劇座長・小籔千豊。銀行の支店長役の桂雀々など、いずれペコペコする姿が今から目に浮かぶ。

迫力あるエキストラシーン

   このシリーズが凄いのはエキストラの数で、今回、マラソンシーンには3000人ものエキストラを使ったとか。ボランティアのエキストラだとしても、3000人もの人間を動かすにはスタッフが何百人も必要になるわけで、その経費だけでも膨大になる。そのおかげで、迫力あるシーンが撮れるわけだが......。

   第3話では、「陸王」が学校のシューズに採用されたり、ソールに使う、最適な硬さのシルクレイが完成したり、これまでの苦難がようやく実を結ぶという兆しを感じさせる場面が多かったので、高揚感もあった。

   寺尾は風貌が昔気質の職人っぽく、てっきり手仕事でシルクレイを作っているのかと思ったら、まさかのパソコンピコピコ、最先端技術で作っていたとは驚き。人は見掛けによらないものだなあ、と。

   残念なのは、キレイどころがいないこと。まさかとは思うが、阿川佐和子と壇ふみがその役割を担っているのだろうか? 教師役で見たことのある女性が出ていたが、誰だっけ? と思い出せなかったら、なんと、鳥居みゆき。完璧に馴染んでいたのでまったくわからなかった。今後もサプライズ出演があるかも!?

   先日、NHKが発表した来年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」(宮藤官九郎脚本)の追加キャストが発表されたが、その中に役所とピエールの名があり、しかも、マラソンの父・金栗四三を主役にしたことで、マラソン足袋開発のストーリーもあるそうで、「陸王」とネタがかぶるのでは!? と注目されている。来年の大河を楽しむためにも、まずは「陸王」を楽しもう。

(日曜よる9時~)

くろうさぎ

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