2024年 4月 23日 (火)

最後につかんだ銅メダル、カーリング女子の笑顔爽やか マリリンのスマイルに万感の思い

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   勝利の瞬間、皆抱き合って涙、涙。本橋麻里(31)、吉田夕梨花(24)、鈴木夕湖(26)、吉田知那美(26)、藤澤五月(26)。チームのトレードマークは笑顔だった。とくに藤澤の明るさは、韓国でも大人気だった。

   24日(2018年2月)の最後の3位決定戦は劇的な幕切れだった。相手のイギリスはソチ五輪で銅メダル。世界ランキング4位の格上だ。今回予選で負けていた。

カーリングはまさに「テレビ向き」の競技だ

   1点を奪い合う接戦で、第5エンドで2-3とイギリスがリード。山場は第9エンド。藤澤のショットがイギリスのストーンの陰に入った。イギリスは、自分の石で日本の石を弾き出す作戦をとったが外れて、4-3と初めて日本がリードした。最後の第10エンド、藤澤の最後のショットがイマイチだったが、イギリスは一気に弾き出すはずが、日本の石が真ん中に残った。

   「ナンバーワンは日本だ。日本、銅メダル」と実況のアナが絶叫した。

   ドラマの連続だった。予選リーグでは、緒戦は連勝。その後負けが続いて一旦諦めたのが、アメリカの敗戦で決勝トーナメントに残った。「こんなに負けて?」と選手たちも戸惑っていたほど。準決勝の相手韓国は予選で1敗という好成績だったが、その黒星をつけたのが日本だった。その韓国には、大接戦の末に敗れた。

   カーリングはまさに「テレビ向き」の競技だ。室内で、真上からのカメラがストーンの動きを克明に追う。視聴者はある意味、選手たちより正確にストーンの軌跡を見ることができる。予選から、こんなに長い間中継された競技は他にない。人気は徐々に高まっていた。しかし、メダルにまで届くとは......。

   勝利の瞬間、本橋キャプテンの目から涙が溢れた。「皆に本当に感謝です。スタッフ、コーチ、選手、応援してくれた応援団全員にありがとうと言いたいです」

   「チーム青森」でトリノ、バンクーバーに出場。「マリリン」の愛称で知られたが、メダルには届かなかった。そして8年前、故郷の北見市に戻り、「LS北見」を立ち上げた。ゼロからのスタートだった。スポンサーなし、選手なし。

   今回のチームになるまでには時間が必要だった。結婚して出産も。強豪チームにいた藤澤が加わり、スキップになって、本橋は自分が試合に出なくてもいけると踏んだ。

深夜、選手が眠っている時間に黙々と石を投げ続けた

   今回はキャプテンで、フロアへ降りることはなかったが、深夜、選手たちが眠っている時間に、一人黙々とストーンを投げ続ける姿があった。氷の感触、ストーンのくせなどを確かめて、選手達に伝えていたのだった。

   選手達は「麻里ちゃん」と呼ぶ。「一番欲しい言葉をくれて、いるだけで頼りになる」(藤澤)。ハーフタイムは「もぐもぐタイム」と呼ばれて、選手達がイチゴなどを食べながら作戦を話すのだが、食べ物の手配も全部麻里ちゃんだった。表彰台に上った彼女に、会場から「マリリン」という声がかかった。

   終始変わらなかったのは、選手たちの笑顔だ。それと、マイクを通して聞こえる言葉。わけても、「そだね?」という北海道弁が注目だ。早くも新語・流行語大賞に、なんていう声も聞こえる。

   道東で使われている言い方で、国語学者の金田一秀穂さんによると、「相手の言うことをちゃんと聞いているよ、という合図」だという。これ、年代によって、イントネーションに多少の違いがあるらしい。

   小倉智昭「イントネーションより、普通は『そうだね』だから、つまるところが独特だね」

   「とくダネ」はさらに、熊本の道路標識で、「安全運転大事だよね そダネ?」というのを探し出してきた。

   小倉「これからは、そうだね、というのは間違った言葉になるかも」

   元陸上五輪代表の為末大「はやらせようとしてやると、だいたい失敗する」(笑)

   面白いスポーツだ。ブラシみたいなものでゴシゴシやったり、玉突きみたいな計算が必要だったり。今、あちこちで競技人口が急増しているとか。それと、ジャケットを着ている選手もいれば、半袖の選手もいる。氷の上だよね。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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