2018年 10月 24日 (水)

日大アメフト「刑事責任」どうなる?内田・井上・宮川は傷害容疑で書類送検

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   日本大学アメリカンフットボール部の不祥事は、一向に鎮まる気配がない。今週の週刊文春は「内田正人前監督が逮捕されるXデー」とタイトルを打った。週刊文春によると、5月28日(2018年)には捜査に当たっている警視庁調布署の事情聴取に、総務部長兼常務理事や大塚吉兵衛学長、田中英寿理事長が立ち会ったのではないかと報じている。

   世間の注目を集めている事件だけに、警察庁の樹下尚刑事局長や警視庁の松岡亮介刑事部長の判断を仰ぐ形になり、アメフトはルールが複雑なため、捜査員にアメフト経験者を入れているという。

   宮川泰介選手が傷害行為の故意犯というのは間違いないが、内田前監督や井上前コーチを傷害罪の共謀共同正犯、または教唆に問えるか判断するために、被害者側には両氏も被疑者として訴えてほしいと促し、井上が宮川に送信した"口止め"ともとれるメールも入手しているそうだ。警察庁の幹部は「加害者側の三人を傷害容疑で書類送検し、選手、コーチは起訴猶予、監督は嫌疑不十分で、いずれも不起訴というのが既定路線」と語る。

   だが、それでは警察と日大との"特別な関係"を邪推されかねないと懸念している。それは16年4月2日に行われた日大創立三十周年記念事業の祝賀会に見て取れるという。危機管理学部とスポーツ科学部が開校されたが、そこには野田健元警視総監、警察官僚出身の亀井静香前衆院議員、国松孝次元警察庁長官などが壇上に近いメインテーブルに座っていた。 さらに、危機管理学部の教授陣には、元四国管区警察局長や元埼玉県警本部長などが顔をそろえ、露骨な警察対策、警察キャリアOBたちの「天下り先」になっていると批判されたのである。

   亀井は、自分が田中理事長に「俺がお前の用心棒になってやるから、お前は用心棒を作る学部を作れ」といって作らせたことを認めているが、日大だから捜査を手加減する理由はないと反論している。

   ちなみに、「大学ランキング2018」(朝日新聞出版刊)によると、掲載を始めた06年から、警察官採用ランキングで日大がトップを続けている。採用者数は150~200人で推移していて、2位以下を大きく引き離し、警察には巨大な日大ネットワークが築かれているとしている。

   週刊ポストは「日本大学の解剖」という連載を始めたが、それによれば、日大の卒業生は100万人以上いて、日本人の1%にも達するほどの数を誇っているという。来年、創立130周年を迎えるが、前身は1889年に元長州藩士の司法大臣・山田顕義によって設立された「日本法律学校」だった。

   東京商工リサーチによると、日大は全国の社長の出身大学ではなんと第1位で、2万2135人の社長を輩出しているそうである。もっとも、東証1部に限ると、いきなり8位になる。

「理事長」というより「組長」・・・山口組若頭と兄弟杯交わした田中英寿

   学生数10万人以上を抱えるマンモス大学の頂点に立つのは田中理事長である。酒が入ると彼の口癖は「勉強なんて東大に任せておけばいいんだよ。こっちはな、数と喧嘩だったら誰にも負けねえんだ」。ハナから自分のところの学生を用心棒要員としか見ていないようである。

   田中は青森県北津軽郡金木町の出身。太宰治と同じところだが、田中の尊敬する人物は、同じ町出身の吉幾三だそうだ。日大の相撲部に所属し、現役時代は34個のタイトルを獲得、1学年後輩に初の大卒横綱になる輪島がいた。指導者として日大に残った田中は、多くの力士を角界に送り込んだ。

   週刊文春によると、転機は1996年に誕生した第十代総長の総長選挙参謀を務めてからだという。以来、順調に出世の階をのぼり、08年に理事長の椅子かちち取る。

   田中の背後には常に暴力団の影がある。六代目山口組司忍組長や住吉会の福田晴瞭前会長と親密で、「山口組の若頭の高山清司親分とは兄弟の盃を交わしている」と堂々と自慢していたこともあるという。司組長とのツーショット写真が海外メディアで大きく報じられたが、「あれは合成写真だ」といい募り、超ワンマン体制を堅持したまま異例の4期目の再選をはたしている。

   一方、日大病院に逃げ込んだ内田前監督だが、田中理事長との間に、修復しがたい亀裂が入ったと週刊文春は報じている。関西学院大学に謝罪に出向いた内田だが、この時の言動が不評を買ったため、理事長である自分に波及することを怖れた田中は、5月21日、内田を呼びつけ「辞表を書け」と常務理事を辞めるよう迫ったという。

   内田は「俺を切るんですか」と開き直り、<「彼にはこれまで田中氏のために汚れ仕事も厭わずやってきたという自負があり、『(その一部始終を)すべて公にしますよ』などと田中氏に詰め寄ったのです。さすがに田中氏もかなり動揺し、二の句が継げなかったようです」(日大関係者)>

   まるで映画「仁義なき戦い」の山守親分と広能昌三のようではないか。週刊現代で、元山口組の顧問弁護士だった山之内幸夫が、日大騒動を「ヤクザの世界に似通った構図」だと喝破している。田中は理事長というより「組長」といった方がふさわしい人物のようである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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