2018年 9月 19日 (水)

〈人生を諦める技術〉(テレビ東京系)
実在しない教授に「麿」登坂アナの変顔...「テレビ東京が視聴率を諦めた」ヤバイ集中講座

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   8月6日・13日(2018年)の前後編で放送されたこの番組。一見NHKの真面目そうな格調高い講座番組といった感じだが、所々、いや随所におかしい箇所が散りばめられている。昔で言う『カノッサの屈辱』(フジテレビ系)、最近だとこの番組と同じ高橋弘樹プロデューサー(テレビ東京)が手がけた『ジョージ・ポットマンの平成史』系の番組である。

   司会は(番組テロップ曰く)「結婚とサラリーマン生活を諦めた」元NHKの「麿」こと登坂淳一アナウンサーと、「小顔を諦めた」秋元真夏(乃木坂46)。そして解説が東京法経大学・歴史社会学部の田村丸五郎 教授なる人物なのだが、いかにも胡散臭い。検索しても当然、「東京法経大学」も「田村丸五郎」も引っかからないのだが、なんか声と顔に聞き覚えがあるような...。『めちゃイケ』や『電波少年』のナレーターでおなじみの木村匡也ではないか! 確かに教授にしては無駄にいい声なのである。番組のエンディングクレジットにも「協力」で名前があるし、ほぼ間違いないだろう。

ふざけ放題の演出なのに役にたつポイントきちんと押さえる

   前編のエンディングでも登坂アナが「テレビ東京が視聴率を諦めてお送りする...」と自虐を言っていた集中講座だが、中身は怖いくらい攻めている。視聴者のお悩みを田村丸教授が聞くという形式で進むのだが、このお悩みの内容からしてアレなのである。例えば、「自分に対する悪口の諦め方」がテーマの際、相談のお便りが60代エネルギー会社・針流(ハリル)さんからで、内容が「3年前中途入社でこの会社に入った」「ロシアでの巨大な天然ガス採掘の権利を獲得」「23人の大型のプロジェクトチーム」「ベテラン社員より、メンタル・フィジカルを兼ね備えた若手社員を登用したら、社内で陰口を言われるようになった」など、今年開催された某スポーツ大会に関わった実在のあの人のこと?...という内容なのである。

   そして、この田村丸教授の回答は、どの相談に対しても開口一番「きっぱりと、諦めてください」。とはいえ、その後、歴史的な事件や哲学者の考え等を紹介しながら、解説は一応ちゃんとする(ここで引用する人物や事件は本物だ)。針流(ハリル)さんの件に関しては、紀元前300年頃に活躍した「ストア派」創始者のゼノンによる「雨が降っている事にキレる奴はバカだ」という言葉を用い、自分のコントロールできない事を気にするのをやめるよう諭す。こういった現代社会に必要そうな内容もきちんとやる。

   しかし一方、途中で秋元が退屈で居眠りしたり、登坂アナも退屈そうな何とも言えない変顔を晒したり、教授もピースしたりするシーンがインサートされ、ふざけ放題なのである。関連して出てきた「飛鳥井家」の解説VTRで、グラビアアイドル岸「明日香」のDVDを流す等、ダジャレっぽい映像も多い。それでいて、飛鳥井家の教訓から「スポンサーや上司などには、悪口を言いふらすバカがいる場合、必ず事前に根回しをしておく」という、妙に実用性のあるポイントもきちんと押さえておくのもニクイ。

   全体的にふざけているように見えて、実は現代の日本に警鐘を鳴らすこともやっていて侮れない。いや逆か? たった2回の放送で、たまたま遭遇して見ることができた人はさぞラッキー。またいつかこういう番組に遭遇できる日が来ることをひっそりと願いたい。

   (テレビ東京 8月13日(月)深夜0:12放送)

鯖世傘晴

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