2018年 11月 18日 (日)

87歳の認知症の母を95歳の父が懸命に介護 実の娘が撮った映画「ぼけますから、よろしく」が切実すぎる

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   タイトルは「ぼけますから、よろしくお願いします」。広島県呉市に住む老いた夫婦の老老介護の日々、1200日を追ったドキュメンタリー映画が話題になっている。撮ったのは、実の娘で映画監督の信友直子さん。「あなたが認知症になったら、支えてくれる家族はいますか?」という問いかけは重い。

「親不孝で恥ずかしくても、これを撮らなくては」

   信友の母文子さんは2014年、87歳でアルツハイマー型認知症と診断された。しかし、95歳の父良則さんは介護サービスを拒否。「動けるうちは」と、妻の介護を始めた。炊事、掃除、洗濯、ゴミ出し、買い物をする姿に、信友さんは「これを記録することは、私の使命だ」と撮り始めた。

   文子さんは道を歩きながら「おかしいね、頭が」と言い始めた。「ようものを忘れるしね。ばかちんになっとる」と自問する。活発だった母の変わりゆく姿を撮るのは「親不孝で恥ずかしいことでしたが、ディレクターとしてはいい絵が撮れた」。

   文子さんは「私の言うことひとつも聞いてくれない」と苛立ち、ものを壊す。左目が腫れているが、「打った」ことも覚えていない。穏やかな日々が破れていく。文子さんが「包丁持ってきてくれ」と泣き喚く。「邪魔になるなら死にたい」。良則さんが「ばかたれ! そがに死にたきゃ死ね!」と初めて怒鳴った。

   壊れていく自分への不安に揺れる母を、父は理解していた。「長生きしたね」「ええ女房でね」と笑った。信友さんは、「この人たちみたいになりたいなと思った。夫婦の絆の物語」という。

   お正月、文子さんは「今年もよろしゅうお願いします。ぼけますからお願いします」といった。それがタイトルになった。ポレポレ東中野で上映中。全国で順次公開予定という。

   キャスターの伊藤利尋「娘さんが映像に残すのが使命と、撮ったもの。誰に起こってもおかしくないことが描かれている」

   中江有里(女優・小説家)「撮るには近づき、また離れないといけない。切実な思いを感じますね」

   古坂大魔王(ピン芸人)「お父さん、お母さんへの愛を感じますね」

   

   ヤンヤン

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