2019年 1月 18日 (金)

やりきれない・・・旧知の広河隆一あまりにも情けないセクハラ! 謝罪してももう手遅れ

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   週刊文春の写真家・広河隆一氏のセクハラ問題に触れる前に、講談社が1988 年に創刊した月刊誌「DAYS JAPAN」事件について書いてみたい。

   大版でカラーページをふんだんに使ったビジュアルな雑誌である。創刊号には作家の広瀬隆氏と広河隆一氏による「四番目の恐怖」が掲載された。チェルノブイリ、スリーマイル島、ウィンズケール、青森県六ヶ所村での「放射能汚染」の危険を伝えている(Wikipediaより)。広河氏はその後も「地球の現場を行く」を連載している。

   創刊号は広告が1億円入ったと聞いた。当時としては大変な額である。出だしはよかったが、だんだん広瀬隆の個人雑誌の風を呈してきて(反原発的論調)、部数は伸び悩んでいたと記憶している。ある号で、タレントや文化人たちの講演料を掲載した。だが、歌手のアグネス・チャンからクレームがついた。高すぎるというのだ(もちろんタダではない)。

   当時、アグネスは講談社と関わりのある仕事をしていて、面識のある社長に直接談じ込んだと聞いている。社長のほうから、この件を早く処理しなさいという声がかかったのだろう、編集長はもちろん、担当の専務も動き、謝罪することになった。その謝罪の仕方が過剰だった。私の記憶では、誌面で大々的にお詫びをしただけではなく、新聞広告にも詫び文をかなりのスペースで載せたと思う。

   私を含めた部外の人間からは、書いた金額がやや多かっただけで、なぜここまで謝るのかという声が上がった。社長も、これほどのお詫びを求めたのではないと、編集部のやり方に異を唱えたのである。結局、今度は社長の一言で雑誌は休刊、専務は責任を取って辞任、編集長は退社、編集部は解散となってしまった。わずか2年足らずで「DAYS JAPAN」は消えてしまうのである。

   だいぶ後になって、広河氏が「DAYS JAPAN」という雑誌名を買い取り、フォトジャーナリズム雑誌として復刊するという話を聞いた。編集部へ行って、旧知の彼と話をした。広河氏はこの雑誌名に大変な愛着があり、何とか復刊したいと考えていたという。わずかな賛助金を出し、できることがあれば協力しようと申し出たように思う。

   1年ばかり私のもとに雑誌を送ってくれた。こうした雑誌を出し続けるのは大変だろうと、陰ながら応援していたのだが。

   広河氏はパレスチナ人の苦難やチェルノブイリ原発事故、薬害エイズ事件で、被害者側に立って写真を撮り、原稿を書き続けてきた。土門拳賞など数々の賞を受賞している。3・11以降の福島の子どもたちの保養事業にも力を入れていたそうだ。

   彼も75歳。こんな形で晩節を汚すことになるとは思わなかった。

もはやフォトジャーナリストを続けていく資格なし・・・それにしても10年以上前のことがなぜいま?

   週刊文春で、田村栄治という元朝日新聞のライターが広河の「性暴力」を告発したのである。彼は「DAYS JAPAN」で十数年間、毎月1回、編集を手伝ってきたという。

   内容が丸ごと事実ならば、彼はフォトジャーナリストを続けていく資格はない。被害女性は「DAYS JAPAN」で仕事をしたい、広河という高名な写真家に教えてもらいたいと、彼を慕って来た若い女性たちである。それをいいことに、自分の性欲を満たすために彼女たちを押し倒し、SEXしたというのである。

   11年前の杏子さん(仮名)のケース。都内の大学生だった彼女はフォトジャーナリスト志望で、「DAYS JAPAN」でデータ整理などのアルバイトを始めた。1、2か月後、「君は写真が下手だから、教えてあげよう」と広河にいわれた。指定された京王プラザホテルへ行くと、電話で「部屋にあがってきて」と指示される。

   彼女は「人権を大事にする偉大なジャーナリスト」だと広河を信頼していたという。だが、部屋に入るなりベッドへ連れていかれ、恐怖で何もいえない、抗えないままSEXされてしまったというのである。

   彼女はこのまま夢を諦めてはだめ、フォトジャーナリズムを学べるのはここだけだと仕事を続けた。すると、また呼び出され、歌舞伎町のホテルへ連れこまれてしまう。編集部で2人きりになった時、背後から抱かれ、トイレに連れ込まれそうになったこともあったそうだ。それを機に彼女は辞めた。

   同じように、ジャーナリストを目指してやってくる女性たちを次々に毒牙にかけていたようである。こうしたセクハラがもとで、身体が変調をきたし、うつになってしまった女性もいる。繰り返し求めに応じてSEXしたのだから、性暴力とはいえないのではないかという疑問に、齋藤梓・目白大専任講師はこういっている。当事者に上下関係がある場合、上位の人の誘いを下位の人間が断ることは、その世界での生活を失うなどのリスクがあり、難しい。

   しかし、一度関係を持つと、断ることがさらに難しくなる。性暴力被害者は、自分を責める気持ちが強く、PTSDや抑うつ感が長期にわたって続く傾向があるから、人生への影響が非常に深刻な被害だというのである。

   共通するのは、SEXを強要した彼女たちのヌードを写真に撮っていたことだった。田村氏は、そうした女性がほかにも4人いるという。広河氏は田村氏の質問に、出入りしていた女性たちと性的関係を持ったことは「いろんな形である」と認めた。しかし、望まない人間を無理やりホテルに連れてはいかないと主張する。

   広河という著名なフォトジャーナリストであるという立場を利用して性行為やヌード撮影をしたのではないか、という問いには、「(女性たちは)僕に魅力を感じたり憧れたりしたのであって、僕は職を利用したつもりはない」

   女性たちは傷ついているという問いには、「僕のせいじゃないでしょ」という。人間の尊厳をカメラに写し取ってきたジャーナリストが、彼女たちへの一片の謝罪の言葉もない。残念というより、やりきれない思いでいっぱいになる。

   彼はその後、「私は、その当時、取材に応じられた方々の気持ちに気がつくことができず、傷つけたという認識に欠けていました。私の向き合い方が不実であったため、このように傷つけることになった方々に対して、心からお詫(わ)びいたします」というコメントを発表したが、もはや手遅れである。

   週刊文春が追及しているいま一人のハレンチ人間は、女癖の悪さで名高いといわれる福井照・自民党衆議院議員(65)である。この間まで内閣特命担当大臣をやっていた御仁だ。不倫の相手は外務省国際協力局地球規模課題総括課の岡垣さとみだという。ともに既婚者だから、いわゆるW不倫である。

   週刊文春に目撃されたのは12月22日(2018年)。広島・福山駅でハイヤーに乗り、瀬戸内海に停泊しているラグジュアリー客船に乗り込み、宮島沖・大三島沖錨泊3日間、1人50万円から100万円の極上の旅を満喫したという。

   男も男だが、こういう"先生"と不倫しようという女の気持ちが分からない。福井議員の奥さんは、こうしたことに諦めきっているのか、週刊文春から伝えられても、「そうですか」と呟いただけだったそうだ。女のほうの亭主は、この記事を読んで何と思ったのだろう。

期待したい「サンデー毎日」ジャーナリズム復権志向

   ところで、2018年は週刊誌とは何かについて考えることの多い年だった。毎週のように、年金、医療、相続特集を繰り返す週刊現代、週刊ポストの編集姿勢に、週刊誌OBとして疑問を呈したことも1度や2度ではなかった。

   新年合併号というのは週刊誌のお祭りである。増ページして部数も多く刷り、特別定価にする(週刊現代は500円だ!)。年末年始を読者に楽しんでもらおうと、編集部はさまざまに趣向を凝らすのだが、週刊現代と週刊ポストの巻頭特集は「死ぬ前と死んだあと」(週刊現代)、「これか金のすべて」(週刊ポスト)。たしかに新年は冥途の旅の一里塚、死というものをじっくり考える時ではあるが、親の死や自分の死を考えるために週刊誌を買うだろうか。1年の計は元旦にありだが、年金のことぐらい少しの間、忘れていたいのではないか。

   週刊現代や週刊ポストを読んでいると、ゴーン前日産会長逮捕も、辺野古の埋め立て問題も、末期症状を呈している安倍政権問題もなく、世はなべて事もなしであるかのようだ。

   週刊朝日も、週刊文春、週刊新潮路線は諦めたのか、週刊現代、週刊ポストにすり寄り、巻頭特集は「カラダとお金の老化に備える」である。それに対して、部数を限りなく減らしているサンデー毎日は、ジャーナリズム復権志向のようである。

   巻頭で高村薫の連載を始めた。第1回は「政治の嘘 見逃すまい」。ジャーナリストの森功の「森友・加計問題『疑惑の核心』」「政界仕掛人 小沢一郎の戦闘宣言!」「白井聡 象徴天皇制の行方」、元朝日新聞記者・樋田毅のルポ「変わる日雇いの街 大阪・釜ヶ崎哀歌」、いいのが砂田砂鉄に「ノンフィクションの底力を見くびるな」をやらせていることだ。

   新潮45休刊問題から入り、後藤正治の「拗ね者たらん 本田靖春 人と作品」、阿部岳の「ルポ沖縄 国家の暴力 現場記者が見た『高江165日』の真実」、磯部涼の「ルポ 川崎」、國友公司の「ルポ 西成 七十八日間ドヤ街生活」などを取り上げている。

   砂田のいうように、ノンフィクションが春だったのは、本田靖春や柳田邦男、沢木耕太郎らが出てきたわずかな時期だけだった。ノンフィクションは厳冬期には慣れているのだ。底力に期待したい。

   週刊文春、週刊新潮の他人のへその下を覗き見る週刊誌王道路線、週刊現代、週刊ポスト、週刊朝日の高齢者寄り添い路線、サン毎のようなジャーナリズム路線、部数低迷から抜け出そうと四苦八苦している各週刊誌の中で生き残るのはどこか。2019年にはその答えが出るのではないだろうか。

札幌スプレー缶爆発「アパマン」本社社長は雲隠れ!資産32億円のワンマン

   次も週刊文春の記事。札幌で大変な爆発事故を起こした不動産仲介業者「アパマンショップ」だが、謝罪したのは店舗を運営する子会社の社長で、APAMAN株式会社の大村浩次社長(53)は雲隠れしたままだ。

   大村は地元不動産屋に入社した後、1999年に会社を立ち上げた。当時としては画期的だったインターネットを活用した不動産情報サービスで、たちまち全国区になったそうだ。

   現在、総資産は週刊文春の調べでは、約32億円になるという。ワンマンで、社員を怒鳴りつけ、1年で150人以上が辞めた時もあったという。社員を強制的に自民党員に加入させることもしているそうだ。これは当然ながら、思想・良心、集会・結社の自由を侵していること間違いない。

   あれだけの事故を起こしておきながら、出てきて謝れないような人間のいる企業が、この先生き残れるはずはない。

   私のいる早稲田の近くにも「串カツ田中」はある。さほどうまいとは思わないが、安さもあって結構人気のようだ。そんな田中の神奈川県内の4店舗で、盗撮が行われていたというのである。

   カメラを設置した業者が告白している。知り合いに、彼が運営する田中の店の更衣室の天井にカメラを付けてくれといわれたというのだ。他の店で盗難があったため、防犯用だといわれた。抵抗感はあったが取り付けたという。

   他の3店にも取り付けた。この事実を知った週刊新潮は、その知り合いという人間を直撃したが、疑惑を全否定し逃げてしまった。串カツ田中の本社に取材を申し込むと、更衣室にカメラを取り付けたことは認めたが、あくまで防犯のためだといい募ったという。

   防犯のためなら、従業員に知らせるべきなのに、なぜしなかったのか。逃げられないと思ったのか、本社は週刊新潮の取材後に、ようやくこの盗撮の件を発表したという。ソースに漬けるのも、謝罪も2度目はなしだよ。

宮内改革派「秋篠宮」バッシング 余計なお世話じゃないの・・・

   秋篠宮へのバッシングというべきものが目立つ。今週の週刊新潮も、大嘗祭をできるだけ身の丈に合った儀式にすべきだという発言などを、天皇陛下も心配していらっしゃるのではないかと"忖度"している。

   大嘗祭を身の丈にという割には、住まいを赤坂東邸と併せて一体的に活用するための増改築には3年間で実に33億円、それが公費で賄われるというのは釈然としないと宮内庁関係者にいわせている。

   また、紀子さんが職員に厳しく当たることを取り上げている。そこから、悠仁さんが何かに負けると機嫌を損ねるのは、将来、天皇になるための教育がされているのかと話は広がっていく。雅子妃バッシングが一段落したと思ったら、今度は秋篠宮家バッシングか。余計なお世話だと思うがね。

   羽生善治(48 )がおかしい。27年ぶりに無冠になってしまった。たしかに、将棋でも囲碁でも棋士は若いほど有利だし、50歳近くまでトップであり続けるのは奇跡なのだろうが、羽生にはそれができる、そう思っていたのだが。

   大山康晴15世名人は49歳で無冠になったが、56歳の時に王将位を得たそうだから、今一度、羽生にも頑張ってもらいたいものである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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