2019年 8月 17日 (土)

オウム13人死刑執行から1年!拘置所関係者が明かしたあの朝の「その瞬間」

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   約1年前、オウム真理教の元幹部13人の死刑が執行された。7月6日(2018年)に首謀者・麻原彰晃をはじめとする7人、26日に6人。NHKはこの13人の執行に関する文書を情報公開請求で入手した。だが、ほとんどは真っ黒に塗りつぶされていた。

   ある元幹部の死刑執行に立ち会ったという拘置所関係者が、当日の様子を明かした。死刑囚は別室から所長の前に連れてこられると、所長から「あなたに対して死刑を執行します」と伝えられた。このとき腰を抜かしてしまう死刑囚もいる中、その元幹部は「わかりました。ありがとうございました」と話したという。

   この関係者は最後まで執行を見届け、「一連の動作の中で震えたりわめいたりすることはなく、潔く死刑を受けた感じだった」と語った。

   地下鉄サリン事件など11の事件に関与した新実智光元死刑囚の妻が取材に応じた。妻は死刑が執行されることは知らず、7月6日朝も面会に行ったが、「会えません」と言われた。理由を聞くと「しかるべきところから連絡があったと言われ、そういうことかと思いました」と話す。その後、拘置所から電話が入り、死刑が執行されたことと遺体引き取りの意思を確認された。

   渡された死亡診断書を見ると、8時33分に死刑が執行され、16分間吊るされていたことがわかったという。「葬儀会社で夫の亡骸と対面したが、まだ温かかった」

執行後に新実智光の妻が受け取った日記「もっと別の人生も・・・」

   死刑囚の中に再審を求めていた者もいた。井上嘉浩だ。「真実解明は償い」と言い続け、再審を請求し、担当の伊達俊二弁護士は執行3日前に裁判所や検察と打ち合わせをした。その日、上川陽子法務相は執行を認める書類にサインをしていた。伊達弁護士は「真相究明にフタをされ、憤りは強い」と話す。

   新実智光の最後の言葉も明らかになった。執行後に妻が受け取った日記には、「もっと別の人生があったのでは。教祖1人を崇める人生しかなかった。自分を信じる人生もあったはずだ。誰かに委ねる生き方は誤りだった」と書かれていた。

   端本悟は担当弁護士で大学時代の友人だった池永知樹弁護士と、執行の直前まで面会を続けていた。最後に届いた手紙には「あの時(大学時代)語り明かしておけば」「情けないな、自分がよ」「よき人生、幸せになれと願うぜ」と書かれていた。

黒塗りだらけの執行報告書「被害者遺族に情報公開を」

   地下鉄・霞ヶ関駅の助役で、サリン事件の被害にあった高橋さんの妻、高橋シズヱさんは、死刑執行の報告書が黒塗りだったことに、「死刑囚の言葉が明らかになれば、心に空いた穴が一つ、また一つとふさがっていく」と話している。取材をしたNHKの永田知之記者は、「黒塗りにされた部分には、遺族にとって救いとなる言葉が含まれている可能性もありますが、情報公開に消極的な国の対応は、そうした機会を奪いかねません」と報告する。

   6月に公安調査庁がオウム後継施設への立ち入り調査を行ったところ、祭壇にはまだ麻原の写真が飾られていた。なぜ凶悪事件を引き起こした教団にいまだに多くの若者が惹かれるのか、真相や背景は明らかにされていない。

   「だからこそ、黒塗りにされた死刑囚らの残した言葉を明らかにし、社会で共有することが必要なんです。そして、同じような事件を2度と起こさないために、教訓を次の時代に受け継いでいくことが求められています」と永田記者は語った。

NHKクローズアップ現代+(2019年7月16日放送「オウム死刑執行1年 見えてきた真相」)

文   バルバス
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