2020年 11月 30日 (月)

〈土曜ナイトドラマ「べしゃり暮らし」〉(テレビ朝日系)
漫才ドラマ×劇団ひとり演出×「相棒」スタッフの掛け合わせが絶妙 臨場感のある漫才シーンは必見

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   「ろくでなしBLUES」「ROOKIES」を手がけた森田まさのり作で、2005年から連載されている同名漫画が原作。「学園の爆笑王」を名乗る高校生・上妻圭右(間宮祥太朗)と、その相方になる辻本潤(渡辺大知)がお笑い芸人を目指す熱い青春ドラマである。

   漫才をドラマでやるのはかなりの挑戦。スタッフ編成もかなり挑戦しており、演出を劇団ひとりが全話務めることも話題。コンビ時代も漫才師ではなかったし、脚本は経験があるが、演出は初。また制作もTVでは刑事ドラマや特撮ヒーロードラマを中心に手がける東映が担当。東映の土田真通プロデューサーと、脚本の徳永富彦は共に10年以上「相棒」を手がけているが、全くジャンルの違うドラマをどう料理するのか。期待もあるが不安もあった。

「学園の爆笑王」の主人公が大阪からの転校生とコンビを組み...

   第1話、高校の校内放送で爆笑をかっさらっていた上妻圭右。そこに辻本潤が大阪から転校してきて、たまたま放送室に入ってくる。その大阪弁に敏感に反応した上妻が、いきなり辻本を放送中の校内放送に引き入れる。「関西人?じゃあ、大丈夫だ、俺が付いてるから。あったまってる、いける?」「いけるって何がやねん!?」「べしゃり!!」。辻本も最初は戸惑っていたが、次第にエンジンがかかり、さながらのマシンガントークで学校中を沸かせる。

   実は辻本は元芸人。上妻は辻本の凄さに嫉妬してしまう。今度ある学園祭の漫才コンテストに、周囲から辻本とコンビを組めと言われても固辞する。しかし、辻本から「何のプライドやねん、しょうもなっ」と言われたのが頭の中に残り、上妻は意を決し辻本とコンビ「きそばAT(オートマティック)」を結成、コンテストに挑む。しかし、出番の直前、一つ前のコンビが「きそばAT」のネタを丸パクリし笑いを取っているのがわかり、ネタを捨てる。全部アドリブで挑み、見事大爆笑をかっさらうのだった。

   コメディーではなく、王道の痛快サクセスストーリーで、東映作品だと「味いちもんめ」や「信長のシェフ」に近い感じ。最初に書いたスタッフへの不安は杞憂で、最後の漫才シーンにしても、漫才以外のべしゃりにしても、嘘っぽくない本物の臨場感が大いに出ている。俳優陣の稽古量がうかがえる。

   さドラマシーンの演出や芝居もなかなか的確。物語も、主人公の感情の流れやドラマの起伏がきちんとしており、やっぱりストーリーの精度が高い「相棒」のスタッフの良さが出ている。今後、主人公二人がどこまで天下に近づくか楽しみである。(テレビ朝日 7月27日(土)夜11:15放送)

鯖世傘晴

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