「関西電力汚職」証拠そろっているのになぜか大阪地検は及び腰!監査役に大物検事OB
2週間のご無沙汰です。野暮用でフランスのニースとパリに行ってきました。ニースの真っ青な海と空の下で、生ガキとムール貝を食べながら飲むシャブリが最高でした。
ニースは初めてでしたが、パリも40年ぶり。後に映画字幕の第一人者になる戸田奈津子がまだ売れない時で、週刊現代の取材で行ったわれわれに、通訳として同行してくれた。その頃と一番変わったのは、どの案内板にも、ビストロのメニューにも、中国語が表記されていることでした。
40年前は、レストランのメニューに日本語で料理の説明があると、日本もここまで国力が上がったのかと感激したものでした。だけど今は、圧倒的に中国語、少し韓国語、日本語は少数派でした。
フランスは人種の坩堝。夜は15度ぐらいまで冷え込むのに、肌の色の違う女性たちが、黒を基調とした薄い服装で颯爽と街を闊歩していました。日本のように、俯いてスマホをのぞき込んで歩くのは男性にもほとんどいません。ビストロのワインが安くておいしいのは当然ですが、料理もボリュームがあり、値段もリーズナブル。日本でいえば少しいい居酒屋程度。
パリやニューヨークのマンハッタンのいいところは、どこへでも歩いて行けることでしょう。エッフェル塔近くのアパルトマンから、モンマルトルの丘にあるサクレ・クール寺院まで1時間と少し。歩き疲れたらカフェでエスプレッソ・ダブルを啜りながら、道行く人を眺める。私の好きなマティスの美術館(ニース)、モネの大作「睡蓮」のあるオランジュリー美術館、ルーブルでは45分かかってモナリザも見てきました。
心配していたひったくりには遭いませんでしたが、帰国当日、パリの警視庁本部で男性職員が同僚4人を刃物で殺害する「テロ事件」が起こりました。パリの空の下には、まだまだ不穏な空気が流れているようです。
高浜町・森山助役マネー献金されてた稲田朋美元防衛相!それってもとは契約者が払った電気料金
デジタル版の新聞はもちろんのこと、dマガジンも読めるので、日本の事情はわかっていました。一番びっくりしたのは、関電幹部たちが総額3億2000万円といわれる金品を受け取っていたという"事件"でした。渡していたのは福井県・高浜町、人口1万人程度の小さな町役場の助役だった森山栄治という人間で、今年の3月(2019年)に90歳で亡くなっているという。
先週号の週刊新潮で、社会部記者がこう解説していました。<「森山さんに資金提供していた土木関連会社『吉田開発』に、昨年、金沢国税局が税務調査に入ったのが端緒です。
この調査から森山さんへの資金の流れを把握した国税は、森山さんを調べた。彼がつけていた手帳を押収したところ、関電への金の流れを記したメモが見つかったのです」>
週刊新潮によると、森山の背景には部落解放同盟があったといわれているようだが、それにしても一助役がなぜそのようなことができたのか、不可解である。
当初、辞めないといっていた関電の八木誠会長と岩根茂樹社長だが、一転、辞任を表明した。週刊新潮は今週の続報で、カネの還流のカラクリは、森山が非常勤顧問に就いている「吉田開発」などの特定企業に、関電が原発関連事業を発注して、その受注で潤った企業が森山を通じて関電側に金品を贈るという構図だとしている。
こうしたことが行われていたのは、森山ケースだけではなく、原発を誘致している町や村では似たようなことが行われているはずである。また当然だが、森山マネーは政治家にも渡っていた。福井1区選出の稲田朋美元防衛相に、森山が関係していた会社が献金していたことも明るみに出てきた。
これだけはっきりした事実があるにもかかわらず、大阪地検特捜部は捜査に及び腰だと週刊文春が報じている。なぜなら、関電は「関西検察のドン」といわれる元検事総長の土肥孝治弁護士を招聘していた。今年6月からは、土肥の後任として佐々木茂夫元大阪高検検事長が監査役に就任するなど、大阪地検OBたちに守られているからだそうだ。
伏魔殿の原発村の闇を解明するチャンスだが、国会での野党の突っ込みも矛先が鈍い気がする。