2024年 4月 27日 (土)

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豪放伝説の面影なかった晩年の梅宮辰夫・・・娘アンナに翻弄されて豪邸売ったり、見舞いも来ないがん療養生活

   男といえば、映画「不良番長」や「仁義なき戦い」で知られる梅宮辰夫が先日亡くなった。享年81。週刊新潮と週刊文春が追悼特集をやっている。週刊新潮のほうは、梅宮がこれまで語ってきたものをまとめたものだ。石原裕次郎や鶴田浩二、菅原文太らの思い出から、銀座で浴びるほど飲んで遊んだ話、勝新太郎から「女房の玉緒がお前のファンだとうるさいから、1回寝てやってくれ」といわれた話、6回のがんの話など、痛快な梅宮の思い出が詰まっている。

   週刊文春は少し違う。豪快だった梅宮だったが、晩年はカネがなくなり、渋谷区松濤の瀟洒なマンションまで手放したと書いている。梅宮はプレイボーイの名をほしいままにしていたが、娘が生まれてからは、銀座へも行かず、仕事が終わると家にまっすぐ帰る良きパパだったという。

   親の心子知らず。18歳でモデルとしてデビューしたアンナは、11歳上の羽賀研二と親しく付き合うようになる。羽賀は後に詐欺と恐喝未遂で服役することになるが、その羽賀に3億円の借金があることが発覚する。アンナは余計に燃え上がり、自分の稼ぎも羽賀に貢いだのだ。

   羽賀の借金は膨らみ、梅宮も2000万円融資したという。羽賀の次は2歳年上の会社社長と「できちゃった婚」をするが、この社長が偽物で、違法カジノのスタッフ上がりで、プータローだったため、2年で離婚。最近も、妻子ある企業経営者と不倫関係になるなど、男を見る目はまったくないようだ。

   アンナは仕事もいい加減で、最近ではテレビショッピングなどに出ているが、浪費癖が治らず、梅宮がカネを振り込むということもあったという。ついに松濤の家を売り、神奈川県舞鶴町の別荘に移り住んだ。そして、前立腺がん、尿管がんの手術を受け、入退院を繰り返していた。アンナは10日に1度ぐらいしか見舞いに来なかったそうだ。

   梅宮は最後まで、「娘と孫が心配だ」といっていたという。父親って大変なんだ。お疲れ様でした。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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