2020年 6月 3日 (水)

安倍首相の「新しい生活様式」こんなもの本気でやったら暮らしも経済もペシャンコ

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   世の中はコロナ一色。どの週刊誌も誌面作りに苦労している。なかでも毎週のように政治家のカネや不倫スクープを発信してきた週刊文春の誌面が、このところ精彩がないように見える。今週も安倍首相や小池都知事、吉村府知事批判を繰り広げてはいるが、週刊新潮もそうだが、横並びという感は否めない。

   今、読者が週刊誌に求めているものは、自粛ムードを吹き飛ばすような、楽しい読み物、心躍る冒険ノンフィクション、人生を考えさせてくれる珠玉のエッセイなどではないだろうか。私なら、「競馬好き100人がこっそり、絶対教えたくない馬券必勝術」という特集があったら、真っ先に買って読む。世の中がどんよりしている時こそ、編集長、編集者の腕の見せ所だと思う。

   さて、その飽き飽きしている週刊文春、週刊新潮の安倍首相批判から。中国や欧米各国と比べて、日本の感染者数も死亡者数も極めて少ないのは、安倍首相のおかげでも、ましてや専門家会議のご尽力のおかげでも何でもない。無為無策なのにこの状態だということは、誰も恐くていい出さないが、日本は感染爆発が起こる前の状態だからではないのか。または、スペイン風邪のときもそうだったが、第2波のほうがより感染者も死者も多くなるかもしれないのだ。

   こうした国民の不安に、安倍首相も専門家たちも全く答えてはくれない。なぜなら、データを取っていないからだ。分かっているのは、リーマンショックのときより経済的損失は大きくなるということのようである。週刊新潮で第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストがこう話す。

   緊急事態宣言が5月31日まで延長されたことで、失業者は69万人超になるそうだ。「延長で6.5兆円が加わり、13.7兆円。GDPを年間2.5%押し下げます。(倒産に関しては=筆者注)リーマンショックのとき、通常より年間1400件以上増えたので、今回も1000件以上は増える可能性があります」

   さらに、「政府は今回、"新しい生活様式"を提唱しましたが、これを正直に守って行動した場合、最低3年、経済が戻らない可能性がある」というのだ。それもこれも、<総理が思考停止になって、経済については白旗を上げる専門家たちに、日本の命運を分ける判断を丸投げ>(週刊新潮)したからだ。

   われわれ国民が求めたいのは、新しい生活ではなく、新しい政権のほうなのに。

「ポスト安倍」採点してみると...小池、吉永、鈴木知事らは帯に短したすきに流し

   早くも、ポスト安倍が取り沙汰されているが、週刊朝日は、石破茂や小泉進次郎ではなく、今回のコロナ禍の中で存在感を高めた、地方自治体の首長たちの中から出て来るのではないかと見ているようだ。小池都知事、大阪モデルを提唱した吉村府知事、北海道の鈴木知事などの名が挙がっている。

   だが、小池はお父さんたちの受けが悪いと、週刊現代が×マークを付けている。簡単にいえば、上から目線の、命令口調が我慢ならないということである。何かというと、「おうちにいましょう」「東京にいましょう」「命を救いましょう」というが、小池のいう「STAY HOME!」「STAY IN TOKYO」「SAVE LIVES」は、「家にいろ」「東京から出るな」「命を救え」と命令調である。

   志村けんが亡くなった時、「コロナの危険性をみなさんに届けてくださった、最後の功績だ」といった。これもお父さんたちが、小池を嫌いな理由である。さらに週刊新潮は、小池は、コロナ対応ベッド数に余裕があり、重症者の病床使用率が21.7%で大阪と比べても優秀なのに、誤魔化して危機感を煽っていると指摘している。

   吉村はどうか。週刊文春によると、元CAの妻との間に3人の子どもがいる。故・やしきたかじんの顧問弁護士になったことで、橋下徹との縁ができた。橋下の子分というイメージは拭えない。橋下が現役のときに推進した病院の統廃合で、「人口10万人に対する感染症病床数は全国ワースト5位から2位に順位を上げた」が、それの弊害を決して認めようとしないそうだ。パチンコはいけないが、カジノはいいというのも分かりにくい。所詮、橋下徹のポチというところから抜け出せないようだ。

   鈴木知事の支持率は88%もあるそうだが、週刊文春にいわせると、夕張破たん時に総務大臣を務めていた菅官房長官と親しく、菅の操り人形だといわれ、何かというと「国に聞いて」を連発するそうである。

   やはりどれもこれも帯に短したすきに長しのようだ。週刊ポストは、総裁選までのつなぎに公明党の山口代表を据えようという案が出ていると報じている。たしかに、社会党の村山富市を首相に据えて、河野洋平・自民党が政権を取り戻したことはあった。だが、公明党というのは、宗教政党だけに、国民の反発が強くある。そこで、何とでもなる(とは書いてないが)国民民主党の玉木代表を入れ込み、3党連立で公明党色を消そうというのだ。

   そんなバカなとは思うが、バカな連中が集まって企てようというのだから、何が飛び出すかわからない。どちらにしても、安倍の時代は終わりを告げつつある。そのことは間違いない。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)、『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)、『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、 『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)、『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

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