2024年 4月 20日 (土)

第5のがん治療法「光免疫療法」を日本が初承認!開発者小林久隆氏に聞く「光をがん細胞に当てて破裂させる」

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   画期的ながん治療法として注目の「光免疫療法」の新薬と医療機器が25日(2020年9月)、世界に先駆けて厚生労働省の承認を受けた。楽天メディカルジャパンの三木谷浩史会長は9月29日会見して、治験を重ねて対象がんを広げたいと語った。早ければ年内にも、保険適用で使用できると見られている。

   光免疫療法は、従来の手術、抗がん剤、放射線、免疫治療薬に続く「第5のがん治療」といわれる。米国では現在も治験が続いているが、日本では厚労省が画期的な治療薬候補として、最終段階の治験を省いて承認した。対象は「頭頸部がん」だが、今後他のがん治療へも広げられると期待される。

対象は頭頸部がんだが、今後は食道がん、乳がんなどにも

   玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)の「そもそも総研」は4年前、アメリカで開発者小林久隆氏(米国立衛生研究所主任研究員)を取材していた。その小林氏がこの日、スタジオで解説した。治療の仕組みはこうだ。

   抗体と薬剤を結合させた薬をがん細胞につけ、そこに「IR700」という物質を結合させる。そこに非熱性の赤い光を当てると、がん細胞の表面に傷がつき、細胞に水が入って破裂して死ぬ。

   臨床試験は、他の治療法で効果がなかった頭頸部がんの患者30人に行われ、4人(13.3%)からがんが消え、9人(30.0%)が30%以上の縮小を見たという。いわば末期の患者でこれだけの効果があった。また、マウスの実験では、一度がんが消えると二度とがん細胞が根付かなかった。

   玉川は「いつぐらいまでに実用化するかと聞いたら、東京オリンピックまで、と。間に合いましたね」。小林さんは「間に合いました」と笑った。

   小林さんによると、がん細胞に目印をつけ、がん細胞だけを破壊するので、正常な細胞も免疫細胞もそのままで、免疫細胞はさらに活性化するという。

   今後、食道がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がんなどにも治験を広げていくという。最終的には、80?90%のがんに効果があるのではないかと期待しているという。

   高木美保(タレント)「いくらくらいかかる?」

   小林さん「国と会社との交渉になる。治験というのは、1人1億円くらいかかる。それを乗せたら大変」

   玉川「頭頸部は光を当てやすいが、他の部位だとどうなる?」

   小林さん「光ファイバーを使って、光らせることができます」

   玉川「これからも取材を続けますので、よろしく」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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