古山音(二階堂ふみ)は、帝国劇場で上演されるオペラ『ラ・ボエーム』のオーディションの2次審査を通過した。審査員には音楽学校時代の同級生で、今はオペラ歌手として活躍する、夏目千鶴子(小南満佑子)もいる。
娘の華(古川琴音)は最終審査に向け練習に励む母親の助けになろうと、家事の手伝いを申し出るが、音はそれを断ってしまう。華が小さかった時、「お母さんは私のために歌をやめてしまったの?」と聞かれたことを気にしていて、家事と歌を両立できることを証明しようと躍起になっていたのだ。
最終選考に合格した音、実力の差に違和感を覚えるが...
一方の華は、父の裕一(窪田正孝)や母とは違い、才能もやりたい事も見出せない自分に自信を失っていた。家事を手伝おうとしても受け付けてもらえないことで、母との間に溝ができ始めていた。
娘の中にあるわだかまりに気付いた音は、最終選考に合格した後、「忙しくなるから、手伝ってほしい」と華を頼る。
しかし、稽古が始まると、音は自分と共演者との実力の差に違和感を覚えるようになる。「どうして自分が選ばれたのか」と疑問を抱いた音は、千鶴子に聞く。そして「古山裕一の妻だから」という理由だったことを知る。話題性を狙っての登用だったのだ。
事実を知って舞台を降板した音は、歌うことへの意欲をすっかり失ってしまった。
裕一はそんな音に、孤児院を併設する教会で行う慈善音楽会で歌ってほしいと依頼する。(NHK総合あさ8時)