2024年 4月 18日 (木)

日本でもついに接種始まる「コロナワクチン」 感染予防効果は? 変異ウイルスにも有効? 専門家が疑問に答えた

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   首都圏の1都3県を対象とした緊急事態宣言が、きょう7日(2021年1月)から1か月程度発出されるということで、あさイチでも新型コロナウイルスについて取り上げた。

   保里小百合アナウンサー「いつになったらコロナ禍の生活が終わるんだと感じる方が少なくないかと思います。そうした中で期待が高まってくるのがワクチンです」

   日本では2月下旬より、医療従事者から接種を始められる体制を目指すと政府が発表している。コロナ前の日常を取り戻す第一歩と思いたいが、開発から実用化までの期間が短く、不安や疑問を抱いている人も多いだろう。川崎医科大学小児科の中野貴司教授が、ワクチンに関して現時点でわかっていることを解説した。

   中野さん「ワクチンについて今わかっているのは、発症を予防する。すなわちコロナによる症状が出るのを予防するとわかっているというのが現在の段階で、長期的な予防効果、感染そのものを予防できるかどうかはわかっていません」

   博多大吉キャスター「ワクチンを接種しても完全に予防できるということではないんですかね」

   中野さん「病原体に感染すること自体を予防できるかどうかはわかりませんが、高い確率で病気の発症の予防効果があるとわかっているので、諸外国でも使われ始めているということです」

「イギリス型」には有効と期待、ただし「南アフリカ型」には効かないかも...

   コロナに関しては「変異ウイルス」も気になるところだ。2020年9月にイギリスで見つかって各国に広がり、日本でも12月だけで21人の感染が確認されている。さらに南アフリカでは別の変異ウイルスも見つかっている。

   イギリスで見つかった変異ウイルスは、従来型のウイルスに比べて1.7倍の感染力があるのではないか、子供に感染しやすいのではないかといわれているが、今回接種が始まるワクチンは変異ウイルスにも有効なのか。

   イェール大学の岩崎明子教授は「従来型のウイルスに罹患して治った人が持つ抗体は変異ウイルスに対しても有効という解析結果が今のところ出ている。そのためワクチンによってできた抗体もイギリス型の変異ウイルスに有効と期待できる」と解説する。

   中野さん「ただ、インフルエンザワクチンがそうであるように、ウイルスが変異してワクチンが効きにくくなる場合も起こりえますから、今後さらに注意していかなければいけないと思います」

   保里アナ「岩崎さんも、南アフリカで発見された変異ウイルスについては、従来型のウイルスに罹患した人が持っていた抗体がうまく働かない可能性があるのではないかとおっしゃっていました」

変異ウイルス対応ワクチンも「6週間で開発できる」!? 本当に大丈夫なの?

   変異ウイルスが新たな脅威となっているが、今回のワクチン開発に携わった企業のCEOは「変異したウイルスに対応したワクチンも6週間ほどで開発できる」と話している。

   なぜ短期間での開発が可能なのか。新型コロナウイルスの表面には「スパイクたんぱく質」という物質があり、これが細胞にくっつくと発症する。スパイクたんぱく質を抗体で覆って、細胞にくっつかないようにすれば発症を防げる。

   人間の体には抗体を作り出す能力が備わっているが、抗体を作るためには本物のスパイクたんぱく質を体内に取り入れて体に覚えさせる必要がある。ファイザー社の「mRNAワクチン」は、スパイクたんぱく質の設計図を体内に送り込むことで抗体を作る仕組みだ。

   保里アナ「短期間でワクチンの開発ができるのは、このワクチンの設計図を変異ウイルスに合わせて一部書き換えるだけで作れるからということなんです」

   近江友里恵キャスター「新たな変異型のウイルスができたとしても、短期間で対応できそうということでいいんですかね」

   中野さん「理論上は確かにできるのかもしれません。でも今国民の皆様が気にされているように、有効性や安全性は多数の方に接種しないとわからないので、十分な検証に一定の期間は必要だと思います」

   結局しばらくはwithコロナの日常が続きそうということか。

文   ピコ花子
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