ヤングケアラーの実態知って 平日「7時間以上、家族の世話」も1割

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   「ヤングケアラー。この言葉をご存知でしょうか。初の全国調査で、子どもたちが置かれている家庭環境の実態が明らかになってまいりました」とMCの谷原章介が紹介したのは、厚生労働省と文部科学省がきのう12日(2021年4月)に発表した調査結果だ。

  • 番組公式サイトより。
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「宿題や勉強する時間が取れない」「睡眠が十分に取れない」

   ヤングケアラーとは大人が担うような家事や家族の世話などを日常的に行う18歳未満の子どもたちのこと。およそ1万4000人の中高生を対象にした調査で、中学2年生では17人に1人が、全日制高校2年生では24人に1人が「世話をしている家族がいる」と回答した。

   中学2年生が世話をしている家族は「きょうだい」が61.8%で1番多く、「父母」(23.5%)、「祖父母」(14.7%)と続く。ヤングケアラーのうち1割は平日に世話に費やす時間が「7時間以上」と回答していた。また、1~2割からは「自分の時間が取れない」「宿題や勉強する時間が取れない」「睡眠が十分に取れない」という声が上がった。

   谷原「家族で支え合うことによって学ぶこともありますが、過度な負担になってしまったら、その子のチャンスを奪うことになりかねない。貧困家庭など、より過酷な環境だとこういうことが起こりやすかったりするのでしょうか」

   三浦瑠麗(国際政治学者)「実際に問題なのは、平日に7時間以上世話しているヤングケアラー。子育て世代に当たる30代女性の家事・育児時間が平均で4時間半程度だと考えると、7時間以上は異常です。ただ、今家族がどんどん少なくなっていく中で、きょうだいの面倒を見られるというのは、とても良いことでもあります。お年寄りの介護や貧困、親の病気などごく限定された人たちに対しては手厚くすることが大事です」

「存在を知ってもらい、子どもたちも学ぶ機会を持つことが大切」

   自分がヤングケアラーだと自覚がないケースも多く、家庭内のことなので表面化しにくいという問題もある。

   大阪歯科大学の濱島淑惠教授は「なかなか理解してくれる人が周りにいないことで、孤立し孤独になってしまうことが大きな問題」と指摘。また立正大学社会福祉学部の森田久美子教授は「まずヤングケアラーについての存在を知ってもらい、子どもたちも学ぶ機会を持つことが大切です」と話している。

(ピノコ)

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